キカクブ日誌

熊本県八代市坂本町にある JR肥薩線「さかもと駅」2015年5月の写真です。

「未来への大分岐」斎藤幸平編

2021年03月17日 | ☆読書


斎藤幸平氏の対談集。
2019年の本。

これも100分 de 名著を見た後に図書館に予約しておいたのですが、やっと順番が回ってきました。 マルクス・ガブリエルら3人の識者とのかなり刺激的な対談(というかインタビュー?)です。哲学や社会学、経済学の最先端の人名や考え方がたくさん出てくるので、正直そのテクニカルタームについて行くことができず、読むのにはなかなか骨が折れました。

こういう本は自分の関心事にどのくらいシンクロするかによって理解度が変わってくるんだろうなと思います。現在の私には第2部のマルクス・ガブリエルとの対話が一番共感し、勉強になりました。


例えば、幼い頃から哲学的思考を訓練するということが人類をもっと幸せに導いていくはずだという主張や倫理的リテラシーを99%の人が持つ社会がどのようなものであるかという話にはかなりハッとさせられました。
自分自身を振り返っても哲学がどのように役に立つかということが全くわからないまま、「哲学なんて頭の中で考えをこね回してるだけだ」というような感覚がずっとありましたので、大変反省しているところです。
哲学的思考訓練をほとんど積んで来なかったために、この歳になるまで世の中の事象について自分の態度を決められず困っています。かなり遅きに失した感はありますが、今こういう本を読みたくなっているのは、自分自身が哲学的思考の欠落を実感しているからにほかなりません。

例えば日本人はほぼ100%の人々が読み書きができますが、それは日本という社会が読み書きができるという能力に非常に重きを置く社会だということだからだと言えるのだそうです。
つまり哲学的思考能力に重きを置く社会であれば、人々がほぼ100%哲学的思考ができる、つまり善悪の判断ができる社会になるだろうということです。そうすれば今ネットにはびこっているヘイトスピーチも、あるいはポピュリズムに対してももっと良い理解や選択が可能になっていくのではないかと言うのです。

なるほど。



そういえば、2年ほど前からNHKで特集されているマルクスガブリエルの「欲望の資本主義」シリーズで彼がニューヨークへ行って色んな人と語り合うという回がありました。
その中で彼に同行していた日本人の若者がいて「この人誰だろう」と思っていたんです。
調べてみたら斎藤氏でした。


他の二人の対談者の話もそれぞれ興味深し。
特にマイケル・ハート氏との「コモン」の話はズバリ私の興味の範囲で刺激的でした。ベーシックインカムも。
ところでウォール街占拠って何?
全く興味なくて知りませんでした。

第3部のポール・メイソン氏との対話については、頭がついていかなかった。また時間が経ったら読み返してみたいと思います。






ところで、
マルクスガブリエルの本みたいにして売ってるんですね。


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