総会を終えても モヤモヤ感が残り続け いまや それを超え 疑念が膨らん
でしまっている というようなことも あるようで・・・
『 ○○○○ というような処理が 総会議事進行中になされたのですが その
手法というか 判断は 妥当だったのでしょうか ?
妥当かどうかということなどの問題ではなく 違法 というようなことだった
のではないのか ? と 今も思い返したりしているのですが
あの時 あの場で 管理会社の為した 総会運営への補助的な説明などに疑念
をもっていたのです・・ ヤハリ おかしな流れだったのではないでしょうか
△△△△△ というようなことが □□□□ とうような手法で議決されたので
すが どうにも納得できないのです 』
何度もブログに登場させていただいていますが
平時 と 争い時との差 というものは これほど異なるものなのか
ということを思い知らされる場面の登場は マンション管理運営において ある日
突然 たった一人の内心から 現実の発言・主張となって 現われ 他者にも 疑
念が波及し膨らんでいく
ということもあり得ます
溜まっていたものが噴き出すというようなことなので 少々 荒っぽい主張として
受け取られがちなので 初動 つまり起こり始めの行動に デキルカギリ 冷静に
対応することが とても大事になると思われます
常套として理事会に招いての意見表明 それに対する説明 ということが考えられ
ますが 真っ向対峙し続ける位置取りなどからの発言交差は避け いわゆる 円卓
会議式で まず 互いの第一声は サッソク論点を披露するなど避け 挨拶(自己
紹介)を交わす というようなことも とってもタイセツなことと思います(人間
感情の動物 ということを 身に沁みて感ジル機会は 多いものですね・・・みな
さんは いかがですか ?
( 普段は理性を元にして話したり考えたりしていても いざ行動をしようとする
時には
感情が出やすくなってしまう
それなので あらたまっての問題提起の対話のシーンなどでも感情の部分が理
性よりツイ優勢となってしまっている
人は感情の動物なのだ と言われるのも なんとなく ウナヅケソウ? かな)
総会に関することで 最近も相談があったこと 今までに経験したりしたことを 極
く簡潔に
参考になるかもしれないことを中心に〔再掲のことも多いですが〕 記してみます
(原則 標準管理規約を基にしています が 会議原則などというものをも参考に
したことも 少々含みます ので より実務的なものです)
・ 議長には
議事を進行させ 整理する権限(議事整理権)
と
議場の秩序を維持する権限(議場の秩序維持権)
があります
質疑のために必要と判断した場合には 出席の資格がない者であっても出席を認
めることもできる(理事会の決定が無くとも 議長の裁量の範囲内で議長が第三
者の傍聴や発言を認めることも可能)とする考え も あります
が
※ (出席資格)
第45条
組合員のほか、理事会が必要と認めた者は、総会に出席する
ことができる。
と 標準管理規約には示されています
議長という立場は それなりの権限を持つ(反面 重責でもある)ので 誰が担
当するかは 会合が充実したものになるかどうかの重要なポイントです
※ 標準管理規約では [総会の議長は、理事長が務める。]
と あります(42⑤)
・ 正当な招集でなければいけないので 役員の定数が一名足りない状態での
臨時総会招集決議後の総会決議は無効とされたりします
(東京地判平成26・11・27)
争いある状態でのマンションにおいては特に このようなことも起き得るので
定員は守らなければならないのです
事の重大さを蹴散らし たかが一名ごときの不足 なんの問題があるのだとばかり
無視して強引に進めようとする方がおられたりしましたが・・・
長年の知己 ほぼ 顔を見知った者の集まりだ としても お気楽な?茶飲み会など
ではケッシテナイのです(レッキトシタ 資産管理団体の会合なのですから)
後々 現実に 重箱の隅をさらいあうような事態にもなりかねないのです
とにもかくにも 瑕疵がないように 進める必要があります
・ 招集の通知の方法について 区分所有法と標準管理規約に制限はありませんので必
ずしも文書でなくとも 口頭や電話でも可 とはされますが 文書が望ましいこと
は当然です
・ 一定の重要事項の決議の場合は 議題のほかに 議案の要領の通知も必要です
議題とは 話合いの対象となる事柄のタイトル 例えば「管理費値上げの件」など
と示され 会議の目的 といわれるもの
議案とは 決議内容の案 議案の要領とは 決議内容の案の要約
ここらあたりも 後々 問題として追求されることがあり得ます
「管理費値上げの件」であった場合 管理費値下げの動議が出されたとしても
これを討議することはできないと判断されるでしょう
(通知外のことは決議できません 47⑩)
[総会においては、第43条第1項によりあらかじめ通知した事項につい
てのみ、決議することができる。]
内容を縮小する方向の(値上げ幅を小さくする)動議なら許される場合もあります
・ 複数の住戸を持っている1人の区分所有者(マンション住人さん)が議決権を使う時
分割して行使すること(いわゆる不統一行使)は 認められないとされてはいます
が 少々専門的過ぎる話題ですが 信託の対象となっている場合は やむを得ないと
判断されると思います
・ 景気の好い時代のリゾートマンションなどでは 別荘用になどということで 使用時期を
調整しながらの いくつかの法人間で共有制度を採ったような場合もあったりします
専有部分が共有の場合で一の組合員とみなされる場合は議決権行使者1人を決めなければ
なりません(区分所有法40)
民法の特別法である区分所有法にはそのあたりのことの規定がないので つまるところは
共有者の持分の価格の過半数で決めることになるでしょう(民法252)
・ 総会には出席しないけれども 開催前に議案について賛成・反対を記した
書面(議決権行使書)を招集者に提出することがあります
出席者としてカウントされるので 総会運営上重要な方法ですが
[賛否の記載のない場合でも 賛否いずれかの意思表示とみなすこととする]
とされていたりしていても そのような扱いはつまるところ意思を明らかにできない
ので不適切であって 効力は認められません
が 定足数の扱いなどで 出席組合員として取り扱うこと自体は可能とも考えられる
でしょう
・ 代理人による議決権行使についてですが
代理権授与は 総会ごとであり 将来の総会まで含めて 包括的に代理権限を授与
することはできないとされているのが多数説 ? だと理解されます
が
限定期間や特殊限定ケースを勘案して 規約での特別例外があってもよいのでは
(総会での委任状獲得に苦労している役員さんが 意外と多く 今後マスマス そ
のエネルギーを必要とされるような印象があるので
妥当な運営・運用なら 可としても よいのでは )?
という思いを 自身は抱いています(巷の素浪人マンション管理士のツブヤキ
にすぎないこと ではありますが・・・)
判例には 事前に包括的に 許すというものがあったりしています
(東京地判平成23年・7・6)
念のための記述ですが
議決権行使書と委任状は どちらも本人が総会には出むかないで議決権を使う方法ですが
前者は自らが賛否の意思を決定し 後者は それを代理人に委ねるものです
代理人は 委ねられているとしても 本人の権限授与の意義を尊重することは重要ですが
・ 規約に限定が無ければ 未成年者でも代理人に就けます
関連して
区分所有者が未成年であるというような 特殊?な場合もあり得ます(近頃は資産のある
未成年者さんも増えているのかも?)
この場合 成年後見人がついていたり 親権者であるような場合は 規約に代理人の資格
制限を定められていても 法定代理人であるのですから 規約の制限には縛られないと解
されます
・ ある事項を 総会での特別決議が必要である対象としようとする場合のその決議自体は
特別決議であることまでは必要でなく 普通決議で可 とされます
・ 管理費等の支払を猶予する場合も 総会の決議を経る必要があると解されます
(東京地判平成20・4.24)
争い事が起きた時 つまるところは 裁判で ということにもなりますが
その判定を考えるとき 極端な話ですが 大法廷判決も いつ どのような事情で
変わるかもしれませんし
そもそも 判定の基準は条文だとも限りません
公共の福祉 というような 広い幅をもつものであったり 最後の最後は
一般常識的なもので エイヤーと決めざるを得ない といっても
時代とともに微妙に捉え方が曖昧になったり
場合によっては事情判決 などというような
ある意味 法以上の武器?が基準となって法廷に現われたり
ということで
一番無難なのは 疑義がある場合は 議長さんは ≪ その都度 総会意思を確認しながら
進めておく ≫ ということに つきると考えます
“マァ いいか とか 議長たる俺の権限でいいのだ”などと走ることは禁物
動議などが重なる とか 突然 規約や細則でも エイヤー といかないような
輪番優先役員候補と 突然の立候補者の乱立 とかが入り乱れるとか
とても複雑に入り乱れた動議の提案の嵐の迷いの森に
深く入り込みそうな場合は
“皆さん これでいかがでしょう”
と 多数決合意を確認しながら総会を進めることが 肝要
つまるところ 私的所有者の団体であるマンション管理組合なのですから
国といえでも それぞれの私的事項に対しては 自治を認め 究極的には尊重せざる
を得ない
自分たちのことを自分たちで了承して運営しているのだから 多少法的に疑義があっ
ても そのこと(私的財産に関することの私的自治)を尊重すべきであって
あまり干渉すべきではない いや 干渉してはいけない
という気配? そうした流れがある判決も多く眺められるのですから
もう少しだけ 総会関連のお話を続けさせていただきますが
・長期修繕計画を策定する議案と 計画に基づく工事を実施する議案は別のもので
前者が議決済みだからといって そのまま 工事実施もオーケーということには
なりません
特別の管理であるものの あるいは それ以外の管理の実施であるものの決議が
各々必要
だと理解されます
『長期修繕計画の変更のための出費は どこから出すことになるのですか ? 管
理費からでしょうか ? 修繕積立金からでしょうか ?
標準管理規約と ホボ同じ規約になっているはずなのですが ハッキリとしない
ので・・・』
という質問もあったりします
このことにも関することとして
劣化診断(建物診断)についてですが
<長期修繕計画の作成・変更に関してのもの> と <修繕工事実施の前提としてのもの>
があると理解されます
コメント 第32条関係 には 次のように示されています
③ 長期修繕計画の作成又は変更 及び 修繕工事の実施の前提 として、劣化診断
(建物診断)を管理組合として併せて行う必要がある。
④ 長期修繕計画の作成又は変更に要する経費 及び 長期修繕計画の作成等のための劣
化診断(建物診断)に要する経費の充当については、管理組合の財産状態等に応じ
て管理費又は修繕積立金のどちらからでもできる。
ただし、修繕工事の前提としての劣化診断(建物診断)に要する経費の充当につい
ては、修繕工事の一環としての経費であることから、原則として修繕積立金から取
り崩すこととなる。
・最後に 質問の多い事項ですが
総会の議事録が区分所有法や規約に則って作られていないとしても 総会の手続に
瑕疵がなければ 総会の決議の有効性に影響することはない とはされています
(福岡簡判27・5・19 東京地判平成26・7・10)
以上 総会関係のこと それに関して 特に質問があったあたりを 少々ですが 記
してみました
〔念のためですが
受験を間近に控えているのに 実務的過ぎる記事《チョットわけがあり 本日
載せさせていただいております》
ですので
受験生の方は トニカク 今は 条文明文に沿っての理解に徹底くださるよう
どうぞ
お願いいたします〕