昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

なるほど!と思う日々(600)政治⑬ 大久保利通の政治採決のやり方

2019-06-27 06:24:05 | なるほどと思う日々
  大久保利通はあくまでも冷徹あるいは過酷なほどに現実を見つづけた。
 
 
 *配下の者が内務卿室に案件を持ってくると、独特な型で政務採決の返答をした。       
  ① 「それはご評議にかけましょう」・・・これは断行の意志がある場合。
  ② 「それは篤と考えておきます」・・・保留か、調査が必要な場合。
  ③ 「それはご評議にはなりますまい」・・・否定する場合。

 *大久保は、旧主筋を裏切ったという倫理の呵責から生涯免れることはなかった。
  
 
 *諸藩の下級武士たちが将軍を政権から追い、旧主である諸侯から統治権をとりあげ、一方において四民を平等にして<国家>というそれ以前の日本になかったものを創り出すには、仏教でいうところの聖なる虚空が必要だったのである。
  

 *以上、司馬遼太郎「この国のかたち」から・・・