昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

運が悪いことから全てが始まった(72)貿易会社(30)

2013-12-24 03:39:03 | 小説、運が悪いことから全てが始まった
「司さんにはお世話になりました・・・」
 視察が全て終わり、東京のレストランでさよならパティーが開かれた時、使節団の団長が挨拶の中でボクの名前に触れた。
 ・・・えっ!ボクが?・・・
 びっくりだった。
 ロシア語がしゃべれるわけではない。
 裏方として地味な働きをしただけなのに。
 不自由な足を引きずって右往左往していた姿に同情してくれたのかもしれない・

 パーティーは大いに盛り上がった。
 
 彼らは出されたウオッカを「底まで乾杯!」の儀式をした後、コザック踊りを披露して場を盛り上げた。
 
 C機械工業の春田部長が調子に乗って同じようにコザック踊りでみんなから喝采を浴びたが、会がお開きとなると同時にぶっ倒れてしまった。
 ボクは彼をタクシーで旅館まで送り届ける羽目になった。

 ボクの仕事は春田氏の尻にくっついて歩き、最後に彼の反吐の面倒を見ることだった。

 ─続く─

 「夢をみよう!」テレビCMでJRAが名馬テイエムオペラオーを使って連呼していた。
 
 テイエムオペラオーといえば2000年にはG1を総なめにし、無敵の8連勝を成し遂げた伝説の名馬だ。
 馬主は、自分の愛する馬の単勝を買い、勝った額すべてを次のレースに投入するという方式で買い続け馬券だけでもウン千万儲けたという。
 もちろん馬自身の賞金は18億円を超え、歴代1位だそうだ。

 そして今回夢を求めて集まった11万の観衆の前で新たな伝説の馬が誕生した。
 オルフェーヴルは最後の直線、後方からまくり、8馬身の大差で圧勝した。
 
 サッカーの名選手、オウエン氏をして「何という馬なんだ!」と言わしめた。
 レースで横道にそれたり、騎手を振り落したり、期待された凱旋門賞では2着に甘んじた気まぐれやんちゃ牡馬だが、池添騎手は「彼こそ世界一だ!」と絶賛した。
 これで引退なんていうもんだから、彼は「冗談じゃないぜ!」と初めて本気を出し、見せつけたのかもしれない。
 オルフェーヴルの快走はyoutubeでご覧ください。感動します。

 
 


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