昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

三鷹通信(201)三鷹市民大学・哲学コース(13)

2017-07-02 05:29:19 | 三鷹通信
 <西洋文明>の真っただ中、西谷 修先生は<中国文明>を無視すべきではない、とおっしゃる。
 時は春秋戦国時代、乱世の時代に<諸子百家>と呼ばれる、学者や学派が登場した。 
 その思想は理想論、政治思想、実用的な技術論とさまざまであった。
 百家争鳴の中、秦の始皇帝が初めて中国を統一した。紆余曲折はあるものの、これら思想が以降2千年以上に及ぶ中国の歴史を担ってきたことは間違いない。

 一方世界文明は西洋文明のもとに近代化されていった。
 歴史的なターニングポイントを探っていくと、先ずはインドからアラビアを経て入ってきたアラビア数字の活用である。物事は数値化され定量化され自然科学の発展を促す。
 さらにキリスト教と結びついて<自然科学>は真理探究の手段となり、人々の生活形態を変えた。
 「神による創造(クリエーション)のもと、<欲望>という果実を味わった人類は、「男は労働、女は陣痛」という苦難を与えられることになる。
 そして、<技術><産業化><市場システム>の下、人類の生活形態は変わっていく。
 やがて、<世界戦争>にのめり込み、科学技術は<核兵器>、<遺伝子技術>を生み出す。
 人類は原子レベルの現象を噴出させ、この世界をコントロールできると思うようになった。
 しかし、ケミカルな現象を誘発する科学は、逆に制御不可能となっている。

「保険て、博打ですよ!」先生は<市場システム>の皮肉な例を挙げられた。
 経済的にも人類は賭博的な手法にのめり込み、極端な貧富の格差を生むなど、自家撞着に陥っているのではなかろうか。
    
 先生は参考文献としてアドルノとホルクハイマーの「啓蒙の弁証法」を挙げられた。
 「<啓蒙>は人間の理性を使って、あらゆる現象を概念化することを意味する。そこでは、人間の思考も画一化されることになり、数学的な形式が社会のあらゆる局面で徹底される。したがって、理性は、人間を非合理性から解放する役割とは裏腹に、暴力的な画一化をもたらすことになる。・・・人間は、外部の自然を支配するために、内面の自然を抑制することで、主体性を抹殺した。・・・」

 人間は自然を支配するために内面の自然を抑制することで主体性を抹殺してしまっているのだ! 

 <好奇心コーナー>
 
 昨日は三鷹駅前で都議選自民党候補者の応援のために小泉進次郎氏が応援に来てました。
 安倍首相も遂に出かけたようですね。 
 しかし、マスコミへの対応に失敗した自民党に勝ち目はあるのでしょうか?
 


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