昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

三鷹通信(183)第23回読書ミーティング(5)

2017-04-13 04:13:21 | 三鷹通信
 次はAさん推薦の加藤庸二「東京湾諸島」 東京湾に次々造成されていく人工島は70を超えている。・・・知りませんでした。
 2020年の東京オリンピックでは、夢の島、中央防波堤埋立地、有明、豊洲、お台場、大井埠頭といった多くの島々が会場となるため、世界がこのエリアに注目することになります。
 作者は加藤庸二 日本の島に精通するフォトグラファーで、人が住んでいる有人島430あまりを訪れているという<島のスペシャリスト>
 学生時代よりダイビングをしながら島々を歩き、写真を撮り歩く。卒業後、ドキュメンタリー映画製作会社、水中撮影のプロダクション、出版社勤務を経て1980年にフォトグラファーとして独立。
 その後、海、島、山、川、滝、辺境地などの自然環境領域から、民俗、伝統、食文化など幅広い取材活動を展開する。
 著書に『「島」へ』(講談社)、『日本の島』(成美堂出版)、『原色日本島図鑑』(新星出版社)、
『原色ニッポン<南の島>図鑑』(阪急コミュニケーションズ)、『日本百名島の旅』(実業之日本社)などがある。
 明治大学卒、日本写真家協会会員。

 Aさんのコメント。「4月2日に江東区ガイドとして月島から東洋大学(越中島)を案内した。時代の変遷により、そこにいる人が「ここは島」と思う感覚が変わってきていると実感。月島の相生橋袂にあった割烹旅館「海水館」は、現在立ってみれば<川岸>という感じだが、明治末~昭和初期には「風光明媚な海辺の宿」だったわけだ。
 当時月島は今の半分以下。対岸の豊洲やお台場の広大な島は、全く出来ていない。房総の山々まで一望できたというから、さぞや<孤島>感があったと思われる。

 「東京湾諸島」の大雑把な分類。
 *江戸の埋立地・・・佃島、石川島、江東区内陸南部(深川は亀戸、大島以外はほぼ埋立地)㉑㉓㉔
 *工場の島・・・浅野&安田が造った京浜工業地帯。町工場をまとめた京浜島など⑲
 *エネルギーの島・・・東京ガス袖ヶ浦LNG基地、旧豊洲埠頭など㉙
 *港湾の埠頭・・・品川埠頭、大井埠頭など㊸
 *レジャーの島・・・船橋ヘルスセンター、大井競馬場、平和島など⑯⑰
 *ごみ処理、下水処理の島・・・夢の島、中央防波堤、昭和島「森ケ崎水再生センター」など④⑪⑫⑱
 *オフィス、マンションの島・・・天王洲アイル、芝浦アイランド、いわゆるお台場など㊱㊹
 *物流の島・・・羽田クロノゲート(ヤマト運輸ターミナル)有明、大井新幹線車両基地など㉛
 
 
 「東京湾埋立てのあゆみ」
 東京湾は、水深2~4mと遠浅の海のため小型の船しか利用できない港でした。このため、古くから遠浅の海を利用して埋立てが行われており、現在の日比谷・日本橋界隈は、江戸時代に埋め立てられました。
 明治時代末から本格化した東京湾の整備は、内陸部に面した水域から順次沖合に展開し、東京が大都市として成長するために必要な経済産業活動や生活物資を運ぶための大型貨物船やコンテナ船を就航させるため、深い水深(8~15m)の航路を掘削しました。
 こうして東京港では海を浚渫し、水路を掘削することによって発生した大量の浚渫土砂を利用して広大な埋め立て地を造成し、平成20年までに千代田・中央・港・新宿の4区を合わせた面積に匹敵する5,730ヘクタールの埋め立て地を完成させました。
 これらの貴重な埋立地は、ふ頭施設などの物流サービス用地ばかりでなく、交通施設用地、都市再開発・都市施設用地、住宅・公園等の自然回復・新しい街づくり用地などとして利用されています。
 (東京みなと館・館長 大野伊三男)

 もともと江戸は埋め立てられて作られた人工の都市。

   
 その後、さらに埋め立てられて大東京が完成した。
 東京オリンピックに向けて、東京湾人工島めぐりツアーなんてのもいいんじゃない?



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