昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

三鷹通信(343)大久保喬樹東京女子大名誉教授の「日本の文化」を学ぶ会①

2019-06-15 06:21:36 | 三鷹通信
 昨日は小林克彦氏を代表とする同好の士が立ち上げた、大久保喬樹東京女子大名誉教授の「日本の文化」を学ぶ会に参加した。
 
 三鷹市生涯学習センターで開催され、17人集まった。

 本日の講義内容は「日本の文明開化と庶民」について。
 *福沢諭吉の「西洋事情」
  福沢は江戸幕府の命により1860年(慶應2年)にアメリカに、2年後には渡欧。その内容を1868年(明治元年)刊行。

 *仮名垣魯文の滑稽本「西洋道中膝栗毛」1871年(明治3年)刊行。
  
  福沢の{西洋事情}を下敷きにロンドンの万国博覧会に行くという珍道中。
 *魯文は「あぐら鍋」も刊行している。
  
  式亭三馬の」「浮世床」「浮世風呂」に代えて、舞台を新風俗として出現した「牛鍋屋」に移し、そこに集まるさまざまな客の風態、会話をユーモラスに描いた。
  筆致は意外に写実的で、開化期の風俗をうかがう資料に利用できる。

 *久米邦武の「米欧回覧実記」
  
  明治4年から1年9か月にわたり、米・英・欧州を歴訪した岩倉使節団。
  
  その記録編纂係として随行した久米邦武の第一級のルポルタージュである。
  久米は後に歴史学者として帝国大学等で教鞭を執ったなかなかの識者である。

 *壮麗なホテルに感嘆、美術館、動物園、博物館などの公共文化と実体科学に感銘。
  西洋人は実体を追求する学問を好むのに対し、東洋人の実体のない抽象的な思弁を好む違いに着目。
  具体物に基づいた科学を進歩させることにより産業に実益をもたらして繁栄を招くために他ならないことを実感。

 *政治には三様あり、<君主制>、<共和政治>、<立君独裁>
 *機械文明 <蒸気車> <伝信機>

 <エピソード> 
 *福沢諭吉は特に<教育>を重視し<慶應義塾>を創設した。
  また、<健康>に留意し、庶民に<牛乳>や<チーズ・バター>を食するよう奨励した。
  
 *岩倉使節団はアメリカの大統領に面接した際。日本の君主、天皇の<委任状>を持参しなかった不見識を指摘された。
 *維新を率いたのは大久保利通、西郷隆盛であった。 暗殺された大久保に代わって首相になった伊藤博文は運のいい、<大久保の部下>に過ぎなかった。
 *参加者から質問があった。
  「福沢の西洋事情の影響力が大きかったようですが、エリートにはともかく、庶民にいかなる形で伝播したのでしょうね?」・・・ボクも同感だ。
   仮名垣魯文などのベストセラー作家に負うところ大だったのだろうな・・・。
        
 <番外>
  会の始まる冒頭、先生から「大澤さん、そのスポーツシャツは素敵ですね」と言われたので、ボクは「先生のアロハシャツこそシャレてますね」と応じた。
  





最新の画像もっと見る

コメントを投稿