昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

第22回読書ミーティング(4)

2017-02-01 07:07:57 | 三鷹通信
 参加者ボクの推薦本は、稲盛和夫編「地球文明の危機(環境編)」
 ビジネス界の巨人、稲盛和夫氏は稲盛財団を設立し、科学技術と人類の精神的なバランスのとれた人材を育成し、新たな21世紀の文明原理を模索しようとしている。本書はその研究成果を、識者を集め、予算を投じて研究している。
 本書はその成果を環境という観点で整理したもの。
 過去の文明がみな滅びたように現代文明もあと半世紀もしないうちに滅びるという問題意識から、来るべき危機に人類はどう対応すればいいのか。宇宙論・松井孝典、環境学者・石弘之、脳学者・甘利俊一、情報環境学・大橋力、科学史学者・伊藤俊太郎ら、異分野の専門家たちが参集した。

 「文明とは何か」
 今、我々は文明的と言われる生活を送っている。
 地球という星の上に「人間圏」をつくって生きている。
 そもそも狩猟採集から、農耕牧畜、そして産業革命を経て我々はその内部に化石燃料や原子力という駆動力(エネルギー)を得て、ますますその文明化の勢いを加速させている。
 その結果、地球環境問題、資源エネルギー問題、食糧問題、人口問題など深刻な問題を引き起こし混乱している。
 
 遺伝子工学的な見方をすれば、下図のように分析することもできる。        
 つまり、文明とは「遺伝子に約束された本来の棲み場所と生き方からやむなく、あるいは自ら求めて乖離し、産業化に転じた人類たちが、そのために生じた環境条件や生存様式と遺伝子設計との不適合から導かれる生存内容の低下を、本来のそれに近づけようとして行う、居住の固定集積化を伴う高度に適応的な社会行動の体系」なのではないか。
 このまま行くとてなことにならないか?
 本来、遺伝子は利他的に働くものだから。
 
 ジャック・アタリ氏の唱えるように、<超民主主義>つまり愛他的遺伝子活用の方向に向かうべきなのではないか。 
 稲盛和夫財団の主張するところもそこにある。利己的欲望の赴くままに進む先にはあるのは<自滅>に他ならない。
 
 トランプ米大統領の出現で、習近平中国との覇権的な<力>が激突したときは人類文明の滅ぶ時である。
 
 利他的宥和社会を目指す日本の存在価値が問われる時代になった。




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