昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

三鷹通信(153)第18回読書ミーティング(4)脳科学からみた祈り

2016-05-25 05:44:17 | 三鷹通信
 参加者Mさん推薦図書、中野信子「脳科学からみた祈り」
 
 <解説>
 東大の大学院で脳神経医学を専攻した医学博士で脳科学研究者による著者によれば、最新脳科学は、幸せになるための脳の使い方を解き明かしている。
 ここでいう幸せとは、お金持ちになることや、社会的な名声を得ることではない。(むしろそういうものは欲望を際限なくして幸せになれない)
 ストレスなく、日々に手ごたえを感じながら、孤独を感ぜず、人に愛されて天寿をまっとうできるか、ということである。
 本書にはその答えが書いてある。他人のために尽くす・成功を祈る・敵対関係であっても相手を許す。あるいは、コミュニケーションのやり方で孤独を回避できる、等々。
 わかりやすくコンパクトで30分足らずで読める名著。
 読むと読まないでは人生が変わってくる、といってもいい本。25刷り!

 <よい祈り、愛他精神>
 ベーターエンドルフィン、ドーパミン、オキシトシンなどの脳内快楽物質が分泌。
 *免疫力もアップ。
 *ヘルパーズハイ・・・人を助け親切にすることで幸せになる。
  (ボランティアは人のためというより自分のためともいえる)
 *人を呪う悪い祈り・・・コルチゾールなどのストレス物質が分泌。

 <孤独とコミュニケーション>
 *対話こそノンバーバルコミュニケーション。
 言葉だけのSNSで孤独は癒されない。
  (最近不幸な事件が起きましたね)
   
 *愛されないと幸福感が薄い。
 
 <「愛されることで自分が愛されるに足る人間」だと自己評価できる>
 「私は価値ある人間だと思う」というアンケートに対して「全くそうだ」と答えた人の割合は、日本人7.9%、米国41.6%、中国21.6%、韓国14.9%
 なぜ日本人は低いのだろう?

 <困難を乗り越える達成感を脳は喜ぶ>
 *逆境こそが脳を鍛える。
 *適度な刺激を与えれば脳は何歳になっても変わり続けることができる。
 *人間の脳は幸せになれるようにできている。

 <好奇心コーナー> 
 
 同じ著者の「科学がつきとめた運のいい人」の中で述べています。
 <運のいい人はゲームをおりない>
 私たちは生きていくうえであらゆるゲームに参戦している。
 (受験や就職、仕事、結婚、家庭生活等々のゲームに・・・。)
 このように、私たちはいくつものゲームに同時に参戦していますが、運がいい人というのは、自分が「これぞ」と思っているゲームからはけっして自分からはおりないのです。
 「ハリーポッターシリーズ」の著者、J・K・ローリング氏は、いまでは世界中の人が知る
有名な作家ですが、シリーズの第一弾「ハリーポッターと賢者の石」を書き上げたときには、無名のひとりの女性にすぎませんでした。
 ・・・結婚生活には恵まれず、子どもを抱えて離婚。生活苦になり、うつ病も患います。そんな困難を抱えっつも小説を書くことをあきらめなかった彼女は、生活保護を受けながらも書きあげたのだそうです。
 ところが、この作品は12社の出版社から断られ13社目にしてようやく」出版が決定。それが世界的大ベストセラーになり、続編も次々に出版されたのです。
 ・・・もし彼女が「小説家になる」というゲームを途中でおりていたら、彼女の夢は実現していなかったはずです。
 

 う~ん、説得力あるなあ・・・。