昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

なるほど!と思う日々(210)政治(6)

2011-07-09 04:58:40 | なるほどと思う日々
<脱官僚依存><政治主導>を掲げて政治の中枢に登場した民主党政権は、今や「どうしていいやらわからない」状態に陥っている。

 自民党福田内閣の渡辺喜美行革担当相の時、国家公務員制度改革推進本部の事務局に抜擢され、国家公務員法の改革案を作った大物官僚古賀茂明氏などは、民主党の仙谷行政改革担当相に左遷され、<日本中枢崩壊>なんて暴露本を書いて、言ってることとやってることは大違いだと、民主党政権を批判している。

 田中角栄氏の政治手法に見るように、政策決定を官僚に委ねることによって、官僚を支配し、行政の能率を上げようと図るのが従来の政治手法だった。

 「アメリカなどと違って議員内閣制の日本のにあっては内閣の安定度が低く、また不断に解散に脅かされている政党政治家は、自身の政策ブレインの充実よりは、選挙区の工作員の充実に力を注ぐ。かつ農民および都市部の知的水準の低い層を地盤とする保守党は、国家的政策や政治思想よりも、地域的利益誘導や、買収行為によって、地盤を確保しようとするから、党員の知的水準は低く、その選挙運動員から国政に関する政策マンを得ることは不可能である。田中の、政党および私的スタッフに対する不信感と、そのウラ返しとしての官僚尊重とは、以上の背景から考えると、無理もないことである」
と渡辺恒雄氏は回顧している。 


 民主党は、優秀な若手政策マンを配して<脱官僚・政治主導>を試みたが、国民に対する甘い<マニフェスト>と国家経営政策との狭間で、主導で政策立案することも、官僚を使いこなすこともままならず、にっちもさっちもいかなくなったというのが現状ではなかろうか。