昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(79)文明の進化路線に逆らえるか(14)

2011-07-02 04:53:07 | エッセイ
反節電キャンペーンでもやろうか

 東電にならって「今夏、15%の節電をお願いします」と言う関西電力に、橋下大阪府知事は挑戦状を叩きつけた。
 関西電力の本心は、「原発の再稼働ができなければ電力不足になる」ということなんだ、と言うわけだ。
 だいたい、最大で7.5%と言うべきところを15%なんて、サバをよむなど、明らかに人の不安心理を煽る<霊感商法>のような姑息な手段だと。
 
 むしろ産業界への影響を考えれば、節電、節電、と騒ぐことの方が問題だと橋下氏は言いたいのだ。
 熱中症のことも心配しなければならないし。
「大阪府は<エネット>から電力供給を受けているんで、関西電力とは利害関係がないからそんな強気なことが言えるんじゃないの?」
 某テレビ局が言っていた。

 そこで<エネット>について調べてみた。
 NTT,東京ガス、大坂ガスが共同出資する資本金65億円の会社だ。
 天然ガス発電所を保有し、他にも全国の事業所(例えば廃棄物からサーマルリサイクルで発電事業を行うエコ・エナージージャパンなど)から電力を調達、各事業体に環境に優しい電力を供給する会社だ。
 すでに300万キロワット以上の電力を供給する会社が、東電や関電などの電力会社以外に存在するなんて恥ずかしながら知らなかった。

 ということを背景に、橋下氏はドイツやイタリアのように<脱原発>という思想に楽観的になり、その新しい流れを日本にも呼び込もうという壮大な<賭け>に打って出たのだろうか。

 現状は、アメリカやフランスをはじめとする<原発>に依存して、いわゆる<文明の進化路線>に乗っかっている体制の下にある。
 海江田経済相の「原発再開のお願い」発言にあるように、いまのところ日本も同じ体制下にある。
 そしてその体制は<既得権益集団化>している確固たるものだ。

 その<既得権益集団>に橋下氏は挑戦状を叩きつけた。
 <菅降ろし>に未だ釈然としていない菅首相は、一般大衆に影響力のある橋下氏に便乗して、はたして<文明の進化路線>に逆らう<脱原発解散>の賭けにと打って出るだろうか?

 ただ、菅さんにはそんなカリスマ性のある発信力、もしくは根回しのできる政治力があるかが問われるところだが・・・。

 (<脱原発>はある意味<革命>である。人類の歴史を振り返るとき、<文明の進化路線>に逆らう、人間の頭で構築した<革命>はことごとく失敗に終わっている。人間の進歩しようとする性癖を人間は理性で克服できるのだろうか?・・・)
 このテーマを人類の永遠の課題として提案したい。ご意見を歓迎する。