ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

出前とは言え、この公演は失敗したくない!

2019-10-21 09:57:25 | 菜の花座

 頼まれて、あちこち出前の公演はしている。公民館行事とか、老人会とか。コントを持ちネタにするようになってから、ご要望には気楽にお応えできるようになった。今回は町防犯協会の総会のアトラクション。一通りセレモニーが終わった後の余興ってことで頼まれた。

 老人会なら力抜くとか、観客数の違いで出し物変える、なんて失礼なこたぁしやしないよ。どこからお呼びかかったって、全力投球だぜ。とは言っても、今回ばかりは、失敗できない!絶対受けたい!って野望ムラムラだったね。

 最初の申し込みは、なんでもいいから40分間使って演ってくれってことだった。うーん、40分かぁぁぁ、コント2分でもお釣りが来るなぁ。メンバーの踊りとかも入れるか、なんて構成をいろいろ思案していた。コントについても、防犯協会向けの内容で、って注文もあったから、新作コント2本は、オレオレ詐欺ものと高齢者免許返納もので準備した。まっ、けっこう気合い入れて待ち構えてたわけさ。もちろん、稽古もしっかり積んで、準備万端怠りなくね。

 ところが、本番1か月前に、役場担当課から、持ち時間、半分の20分にして欲しい、って連絡が入った。セレモニー部分が膨らんだからって理由だ。うちの代表は、心優しい男だから、そうですか、仕方ないですなぁ、なんて半ば承諾してきたんだが、作者の俺としちゃ納得行かんよ。わざわざそのために題材変えて書いた2本だ、ここはどうしたって、上演させてもらいたいって強行に言い張った。

 板挟みの代表、やれやれ中間管理職の心境だ、なんて愚痴っていたが、いざ、町に要望、伝えたら、大いに恐縮して、最初の提案に戻したい、謝罪にも伺いたいって一気に姿勢が変わった。向こうも、別に高圧的にこうしろ、って要求して来たわけじゃなかったんだ。まっ、日ごろの持ちネタを見繕って軽~くやってもらうくらいの気持ちでいたみたいなんだ。あんまり負担掛けちゃ悪いよね、くらいの気遣いもあったのかな。演劇、コントってもんの制作の大変さ、わかってなかったってことなんだな。謝罪なんていいから、せっかく準備してる2本さえ演らせてもらやぁ、それでいいのよ。こっちとしても、自信作なんだからさぁ。

 こんな事情があるから、この公演は何としても成功したい!笑いを巻き起こしたい!って臨んだ。役者たちも定期公演『流れ旅 真っ赤な夕日の』の稽古と同時進行で準備したし、本番にゃ会場に足元マイクや音響PA一式セットしてね。

 で、結果は上々!総会参加者の皆さん、大いに笑っていただいた。こういう観客は難しいんだよね。まさか、総会でコント見せられると思ってないから、心の準備が出来ていない。人によっては、忙しいんだ総会行事だけで十分だべぇ、なんて、さっさと帰りたい気持ちうずうずって人だっている。よっしゃ大いに楽しんでやる!って心がコントに向かってきてる人との違いは大きいんだぜ。そんな、イベントで受けたってことは、成功ってことだろ。

 担当者もホッとしていた。町長も喜んでた。中でも米沢警察署の署長さんは、大いに楽しめたようで、帰り際、わざわざその気持ちを伝えてくれた。こりゃ、もしかしたら、米沢でも公演を、なんて依頼も舞い込むかもしれんな。こうやって、菜の花座=面白い、菜の花座=やるじゃないか、って評判が町や地域に広がって行く、それがこういう出前公演の裏の狙いだ。

 おらほの町にゃ劇団、あんだぜ!って胸張って話してもらえるようになる、その一歩ってことだぜ。

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