ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

円形劇場、さあ、どうしてくれようか?

2015-07-04 14:21:14 | 演劇

 野外で公演『お遍路颪』、野心的でかっこいい!って思ってはいるんだけど、ことはそう簡単な話しじゃない。野外は野外でも、フレンドリープラザの野外劇場って、ローマのコロセウムに似た作りなんだよね。もちろん、コンクリート打ちっぱなし。ステージ部分は半円形で段差あり。ステージの後方は1m弱の壁でぐるりと仕切ってある。

ギリシャ劇とか、現代物とか演じる分には、そのまま違和感なく使える仕様だが、山奥のお遍路寺院、その山門前の宿屋と茶店って、ミスマッチもいい所だ。資金と人手にゆとりのある劇団なら、しっかり装置を作り込んで、一気にそれらしく仕上げてしまうんだろうけど、菜の花座だからねぇ、貧乏劇団だからねぇ、装置作りのノウハウ持ってないからねぇ、どうしたらいいんだ?

 夕暮れの時間帯に開演するって難しさもある。ホールなら明かり落としたり、照明で浮き上がらせたりいろいろ逃げの一手もあるんだけど、昼間ベローっとした明るさの中じゃ、まがい物でごまかすこともできない。パネルに絵を描いて、なんて意見も出たが、それ却下!プロ並みの描き方出来なきゃ、かえって嘘っぽく見えるだけだから。

 かと言って、後ろのコンクリートの壁と柱をそのまま残しておくわけには行かない。田舎の宿屋と茶店っぽく見せる素材を探してくるしかないだろう。柱は山門の柱に見立てるって方法もある。中央の壁は寺院の幔幕風に隠してはどうか。中央奥に抜ける通路は当然生かして、札所寺院への参道にする。奥の小高い森・天神森が第34番札所・水潜寺境内ということにする。役者の楽屋は後ろにテントを張るとして、壁をどう乗り越えるかも手だてしなくしゃならない。かがり火は焚くことにしていたが、他にろうそくや提灯を多用するなんて演出も効果的かもしれない。

 野外で声は十分届くのか?それも心配なところだ。シニアの中には声の小さな人もいる。これから稽古でひたすら大声でせりふを言う努力をしていくとしても、演出上の配慮も必要になるだろう。ただ、舞台前に出て、客席向きでしゃべると、意外にも玄関ファサードからの跳ね返りが大きく、前向きでしゃべる演出が効果的なようだ。これは、ある程度想定内のことだけど。

 ステージをぐるりと囲む客席も一工夫、二工夫が必要だろう。劇場へのエントランスから丸見えというわけにはいかないから、幕などで仕切るとして、どこからどこまで、どう囲むのか。プラザホールへのエントランスの柱列も上手に生かしたい。駐車場から、野外劇場への道が、秩父遍路に至る道筋に少しでも感じられるような細工も考える必要があるだろう。香を焚くなんてのも良いかも知れない。夏場の夕方だから、蚊遣りも考える必要ありか?コンクリートに直に座らせるわけにもいかんだろうから、座布団的なものも準備が必要か?

 と、ホールでの上演なら問題にならないたくさんの難題が浮かび上がってきた。そんな面倒なこと止めようよ、ではなく、新しいこといろいろ試せるから面白い!そう、難しいからやり甲斐があるってプラス思考で、楽しみながら乗り越えていくしかない。ねっ、そうでしょ、舞台美術さん、制作さん、公演責任者さん。アイディアの勝負だから。芝居が始まる前、客席に入ったお客さんが、ほーっ!と驚きの声を上げるような仕掛けを作ろうじゃないか。

 

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