ステージおきたま

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全国へ一歩:シニア一期生公演『風渡る頃』

2013-06-03 18:14:49 | シニア演劇
 『風渡る頃』の再演が終わった。今回は一週間後に控えた全国大会のプレ公演。プラザのロビーに特設の舞台空間を設えて上演した。

 シニアだかね、なんてお目こぼし、再演じゃ許されない。しかも全国で発表するとなると、ある程度のレベルってのは要求されるよね。井上さんの生まれ故郷川西の劇団ってこともある。次回全国大会の開催地に立候補するかもしれないって目論見もある。なんじゃ、初演より下手になってるねか、とか、所詮シニアはシニアだもな、なんて感想がもれてこないように、数段レベルアップした舞台に仕上げたかった。

 まず、何より気を付けたのは、台詞忘れ。年取るとね、暗記はほんと!弱いんだよ。車の中とか仕事の合間とか、風呂に入りながらとか、メンバーも様々苦労しているんだけど、ぽろっと台詞が消える。しかも、場馴れしてないから、出なかったり、飛んだりすると、当人はもちろん、その場に居合わせる役者たちも頭真っ白!状態になってしまう。こんな時、菜の花座あたりだと、適当に飛ばしてつないだり、相手がそろっと救いを出したりできるんだが、これがシニアには、難しい!と、どうなるか?

 あっ、なんだけ!とか、出てこない!とかつぶやいてしまったりするのだ。相手役が、おまえの番だ、って指さしたり小声で台詞教えたり。まあ、苦しんでる仲間を救いたい一心なのはわかるんだけど、これは本当に!本当に!!見苦しい。初演では、こんなシーンが観客の暖かい笑いで救われたりもした。でも、再演かつ全国への一歩だ、こんな無様なことだけは絶対に無いようにしよう。これが直前稽古の大きな目標だった。

 で、これについては、あぶねぇぇぇ、って場面も二度ほどあったが、本人がなんとか立ち直ってピンチを脱した。成長、成長。

 もう一つの、もっと大きな目標は、役や台詞を自分のものにするってことだ。一つ一つの台詞に込められた感情やニュアンスを大切に表現しきることを、くどくくどく何度も繰り返し要求した。さらに発声も明瞭にし、台詞のやりとりのテンポにも気を使った。要するに、芝居としての完成度を高めるってことを目標に掲げた。

 人間、やれば上手くなるもんだ!これが感想だ。

 もちろん人によって伸び方は異なる。でも、だれもが確実に役者としての技倆を向上させていた。だから、初演より数段面白い仕上がりになった。笑いもたっぷり、ぐっとこみ上げ涙もほろり、台本が目指す舞台に確実に一歩近づけた。ある方からは、最近見たアマチュア演劇で最高の舞台、と褒めていただけた。ま、これは大袈裟だけど。アンケートもほとんどが、面白かった、素晴らしかったと書いてあった。受付や会場係を手伝ってくれたシニア二期生も大いに感激して、プロみたい!なんて、これまたオーバーなよいしょ!だが。朝日新聞など事前の詳しいレポートに加え、公演後の報告記事まで載せてくれた、NHKも二日間にわたる密着取材を行った上、さらに追加取材も組んでくれている。これは、7日の日に放映されるとのことだ。

 ご覧になった方達の評判はまずまず上々と見て間違いはなさそうだ。全国に向けて弾みのつく一歩が踏み出せたってことだ。

 公演が役者を成長させる。これは絶対的真実だ!場数を踏めば踏むほど、アマチュアは上手くなる。と言うことは、今回の気持ちよい成功体験がさらに全国本番の質を押し上げることになるだろう。どうやら、井上さんの、川西の名に恥じない舞台作れそうな予感がしてきたぞ。残り一週間、緊張!集中!向上心!で乗り切って、いざ、山梨は南アルプス市へ!信玄のふる里に殴り込みって言ったメンバーもいたっけね。




 
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