竹取翁と万葉集のお勉強

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後撰和歌集 巻18 歌番号1290から1294まで

2024年05月27日 | 後撰和歌集 現代語訳 巻18

歌番号一二九〇

原文 堂以之良寸

読下 題知らす

 

原文 己万知可々安祢

読下 こまちかあね(小野小町姉)

 

原文 与乃奈可遠以止比天安満乃寸武可多毛宇幾女乃美己曽美衣和多利个礼

和歌 よのなかを いとひてあまの すむかたも うきめのみこそ みえわたりけれ

読下 世の中を厭ひて海人の住む方も憂き目のみこそ見えわたりけれ

解釈 男女関係に疲れて尼となって住み暮らす、その言葉の響きのような、海人が住み暮らす海辺にも浮いた海藻(め)ばかりが見渡すように、尼にもこの世の憂き目ばかりが見えてしまいます。

 

歌番号一二九一

原文 武可之安比之利天者部利个留飛止乃宇知尓左不良日

个留可毛止尓徒可者之个留

読下 昔あひ知りて侍りける人の、内裏にさぶらひ

けるがもとにつかはしける

 

原文 以世

読下 伊勢

 

原文 也万可者乃遠止尓乃美幾久毛々之幾遠美遠者也奈可良美留与之毛可奈

和歌 やまかはの おとにのみきく ももしきを みをはやなから みるよしもかな

読下 山河の音にのみ聞く百敷を身をはやながら見るよしもがな

解釈 山河の流れの瀬音を遥かに聞くではありませんが、遥かに噂に聞くばかりの宮中の貴女の所へ、我が身を昔に宮中に出入りしていたような形で、お伺いできたらと思います。

 

歌番号一二九二

原文 飛止尓和寸良礼多利止幾久於无奈良乃毛止尓川可八之个留

読下 人に忘られたり、と聞く女のもとにつかはしける

 

原文 与美飛止之良寸

読下 詠み人知らす

 

原文 由乃奈可者以可尓也以可尓可世乃遠止遠幾久尓毛以末者毛乃也加奈之幾

和歌 よのなかは いかにやいかに かせのおとを きくにもいまは ものやかなしき

読下 世の中はいかにやいかに風の音を聞くにも今はものや悲しき

解釈 あの思い人との男女の関係は、今はどうなったのですか、秋の風の音を聞くように、噂話で二人の関係に飽きの風が吹いたと聞くにつけても、今、そのような状況ではお辛いでしょうね。

 

歌番号一二九三

原文 加部之

読下 返し

 

原文 以世

読下 伊勢

 

原文 与乃奈可者以左止毛以左也可世乃遠止者安幾尓安幾曽不己々知己曽寸礼

和歌 よのなかは いさともいさや かせのおとは あきにあきそふ ここちこそすれ

読下 世の中はいさともいさや風の音は秋に秋そふ心地こそすれ

解釈 あの人との男女の関係が、良いとも悪いとも判りません、風の吹く音を秋に聞くと秋に秋が重なるではありませんが、飽き飽きするような気分がします。

 

歌番号一二九四

原文 堂以之良寸

読下 題知らす

 

原文 与美飛止毛

読下 詠み人も

 

原文 堂止部久留徒由止比止之幾見尓之安良波和可於毛日尓毛幾衣无止也春留

和歌 たとへくる つゆとひとしき みにしあらは わかおもひにも きえむとやする

読下 たとへくる露と等しき身にしあらば我が思ひにも消えんとやする

解釈 昔から例えて来たように、我が身が露を等しいい儚いものであるならば、私の恋焦がれる思ひ、その恋は、露が日に当たって儚く消えてしまうように、日々の中に消えてしまうのでしょうか。

 

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