竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

後撰和歌集 巻18 歌番号1300から1303まで

2024年05月29日 | 後撰和歌集 現代語訳

歌番号一三〇〇

原文 可武奈川幾乃川以多知己呂女乃美曽可越止己之多利

个留遠美徒个天以比奈止之天徒止女天

読下 神無月のついたちごろ、妻のみそか男したり

けるを、見つけて、言ひなどして、翌朝

 

原文 与美飛止之良寸

読下 詠み人知らす

 

原文 以末者止天安幾者天良礼之見奈礼止毛幾利多知飛止遠衣也八王寸留々

和歌 いまはとて あきはてられし みなれとも きりたちひとを えやはわするる

読下 今はとて秋果てられし身なれども霧立ち人をえやは忘るる

解釈 (私の屋敷に呼び寄せた貴女が他の男を引き込んだ様子を見て、)今はもう、貴女に飽きて棄てられた我が身ではありますが、秋に霧が立つ、その言葉の響きではありませんが、縁の限(きり)を立てた、その貴女を忘れることが出来ません。

 

歌番号一三〇一

原文 可武奈川幾者可利於毛之呂加利之止己呂奈礼八止天

幾多乃也万乃本止利尓己礼可礼安曽日者部利个留川以天尓

読下 十月ばかり、おもしろかりし所なればとて、

北山のほとりに、これかれ遊び侍りけるついでに

 

原文 加祢寸个乃安曾无

読下 兼輔朝臣(藤原兼輔)

 

原文 於毛比以天々幾川留毛志留久毛美知者乃以呂八无可之尓加者良左利个利

和歌 おもひいてて きつるもしるく もみちはの いろはむかしに かはらさりけり

読下 思ひ出でて来つるもしるくもみぢ葉の色は昔に変らざりけり

解釈 思い出してやって来たのだけど、期待していた思いのように紅葉した葉の色は、昔と変わってはいませんでした。

 

歌番号一三〇二

原文 於奈之己々呂遠

読下 同じ心を

 

原文 佐可乃宇部乃己礼乃利

読下 坂上是則

 

原文 美祢多可美由幾天毛美部幾毛美知者遠和可為奈可良毛加左之徒留可奈

和歌 みねたかみ ゆきてもみへき もみちはを わかゐなからも かさしつるかな

読下 峯高み行きても見べきもみぢ葉を我がゐながらもかざしつるかな

解釈 (貴方から頂いた紅葉の枝で、)峯が高くても出かけて行って見るべきものですが、この紅葉した葉を私はここに居ながら髪飾りにしています。

 

歌番号一三〇三

原文 志波寸者可利尓安川万与利満宇天幾个留於止己乃

毛止与利美也己尓安比之利天者部利个留於无奈乃毛止尓

世宇可川々以多知万天遠止川礼寸者部利个礼八

読下 師走ばかりに、東よりまうで来ける男の、

もとより京にあひ知りて侍りける女のもとに、

正月ついたちまで、訪れず侍りければ

 

原文 与美飛止之良寸

読下 詠み人知らす

 

原文 満川飛止者幾奴止幾个止毛安良多万乃止之乃美己由留安不左可乃世幾

和歌 まつひとは きぬときけとも あらたまの としのみこゆる あふさかのせき

読下 待つ人は来ぬと聞けどもあらたまの年のみ越ゆる相坂の関

解釈 私が待っている人は都に戻って来ていると噂に聞いていましたけれど、年の霊が改まる新年だけが越して来た相坂の関なのですね。(いつ、やって来ますか。)

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 後撰和歌集 巻18 歌番号1295... | トップ | 後撰和歌集 巻19 歌番号1304... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

後撰和歌集 現代語訳」カテゴリの最新記事