竹取翁と万葉集のお勉強

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後撰和歌集 巻19 歌番号1339から1343まで

2024年06月10日 | 後撰和歌集 現代語訳

歌番号一三三九

原文 毛乃部万可利个留飛止人尓川可八之个留

読下 ものへまかりける人につかはしける

 

原文 以世

読下 伊勢

 

原文 満知和比天己比之久奈良八堂川奴部久安止奈幾美川乃宇部奈良天由个

和歌 まちわひて こひしくならは たつぬへく あとなきみつの うへならてゆけ

読下 待ちわびて恋しくならば訪ぬべく跡なき水の上ならで行け

解釈 貴方の帰京を待っていて淋しく恋しくなったなら貴方の旅路の跡を辿って訪ねられるように、旅跡を残さない水の上以外の路を行って下さい。

 

歌番号一三四〇

原文 堂以之良寸

読下 題知らす

 

原文 於久留於本幾於本以万宇知幾三

読下 贈太政大臣

 

原文 己武止以比天和可留々多尓毛安留毛乃遠志良礼奴計左乃満之天和比之左

和歌 こむといひて わかるるたにも あるものを しられぬけさの ましてわひしき

読下 来むと言ひて別るるだにもある物を知られぬ今朝のましてわびしさ

解釈 またやって来ると言って別れるだけでも辛さはあるのだけど、次はいつに逢えるか判らない、その今朝の別れは、いつに増しても辛いものです。

 

歌番号一三四一

原文 加部之

読下 返し

 

原文 以世

読下 伊勢

 

原文 佐良者与止和可礼之止幾尓以者万世八和礼毛奈美多尓於本々礼奈末之

和歌 さらはよと わかれしときに いはませは われもなみたに おほほれなまし

読下 さらばよと別れし時に言はませば我も涙におぼほれなまし

解釈 もし、これが最後、さらばと別れる時に言われたら、私も別れの悲しみに流す涙でおぼれるほどでしょう、(でも、あっさりと、帰って行かれると、それに気が付きません。)

 

歌番号一三四二

原文 堂以之良寸

読下 題知らす

 

原文 与美飛止之良寸

読下 詠み人知らす

 

原文 者留可寸美者可奈久多知天和可留止毛可世与利保可尓多礼可止不部幾

和歌 はるかすみ はかなくたちて わかるとも かせよりほかに たれかとふへき

読下 春霞はかなく立ちて別るとも風より外に誰れか問ふべき

解釈 春霞が儚く立つ、その言葉の響きのように、あっけなく時が立ちて別れても、風よりほかに誰が様子を伺うでしょうか。

注意 恋五・歌番号九二九に同歌があります。

 

歌番号一三四三

原文 加部之

読下 返し

 

原文 以世

読下 伊勢

 

原文 女尓美恵奴可世尓己々呂遠多久部徒々也良八加寸三乃和可礼己曽世女

和歌 めにみえぬ かせにこころを たくへつつ やらはかすみの わかれこそせめ

読下 目に見えぬ風に心をたぐへつつやらば霞の別れこそせめ

解釈 目には見えない風に私の心持を添えて貴方の許に送ったなら、風は霞を吹き別けるでしょう。(さて、貴方は私の心持を、どのように受け取りますか。)

注意 恋五・歌番号九三〇に同歌があります。

 

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