竹取翁と万葉集のお勉強

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後撰和歌集 巻20 歌番号1373から1377まで

2024年06月19日 | 後撰和歌集 現代語訳 巻20

歌番号一三七三

原文 比多利乃於本以万宇知幾三乃以部乃遠乃己武寸女己

加宇布利之毛幾者部利个留尓

読下 左大臣の家の男子女子、

冠し、裳着侍りけるに

 

原文 従良由幾

読下 つらゆき(紀貫之)

 

原文 於保者良也遠之本乃也万乃己万川者良者也己太可々礼知与乃可个三武

和歌 おほはらや をしほのやまの こまつはら はやこたかかれ ちよのかけみむ

読下 大原や小塩の山の小松原はや木高かれ千代の影見む

解釈 大原にある、あの小塩の山の小松の原は、早くも梢高くなりなさい、千年の育ち栄えて日に影を落とす、その立派な景色を見たいものです。

 

歌番号一三七四

原文 飛止乃加宇不利寸留止己呂尓天布知乃者奈遠加左之天

読下 人の冠する所にて、藤の花をかざして

 

原文 与美飛止之良寸

読下 詠み人知らす

 

原文 宇知与寸留奈美乃者奈己曽佐幾尓个礼知与万川可世也者留可奈留良无

和歌 うちよする なみのはなこそ さきにけれ ちよまつかせや はるになるらむ

読下 うち寄する浪の花こそ咲きにけれ千代松風や春になるらん

解釈 打ち寄せる浪のように藤波の花が咲きました、千代に変わらぬ松、その松を抜ける風は、もろもろが育ち栄える春の風になったようです。

 

歌番号一三七五

原文 於无奈乃毛止尓川可者之个留

読下 女のもとにつかはしける

 

原文 与美飛止之良寸

読下 詠み人知らす

 

原文 幾美可多女万川乃知止世毛徒幾奴部之己礼与利万佐无可美乃与毛可奈

和歌 きみかため まつのちとせも つきぬへし これよりまさむ かみのよもかな

読下 君がため松の千歳も尽きぬべしこれよりまさん神の世もがな

解釈 私が願う貴女の齢では、松の寿命とされる千歳の年月も足りずに尽きてしまうでしょう、その松の寿命よりも長いと言う神の命ほどの寿命がありますように。

 

歌番号一三七六

原文 祢无曽宇遠己奈不止天於无奈乃堂无於従乃毛止与利春々遠

加利天者部利个礼者久者部天徒可者之个留

読下 年星行ふとて、女檀越のもとより、数珠を

借りて侍りければ、加へてつかはしける

 

原文 由以世以保宇之

読下 ゆいせい法師(惟済法師)

 

原文 毛々止世尓也曽止世曽部天以乃利久留堂満乃志留之遠幾美々佐良女也

和歌 ももとせに やそとせそへて いのりくる たまのしるしを きみみさらめや

読下 百年に八十年添へて祈り来る玉のしるしを君見ざらめや

解釈 貴女の長寿のため、本来の百年に加え八十年を添えて貴女の数珠で祈祷を行いました、きっと、この数珠の効き目を貴女はあなた自身の長寿の中で体験するでしょう。

 

歌番号一三七七

原文 比多利乃於本以万宇知幾三乃以部尓遣宇曽久己々呂

左之遠久留止天久者部遣留

読下 左大臣の家に脇足心

ざし贈るとて加へける

 

原文 曾宇寸尓武計宇

読下 僧都仁教

 

原文 遣宇曽具遠々佐部天万佐部与呂川与尓者奈乃佐可利遠己々呂志川可尓

和歌 けふそくを おさへてまさへ よろつよに はなのさかりを こころしつかに

読下 脇息を抑へてまさへ万代に花の盛りを心静かに

解釈 脇息に身を預けて寄りかかっていてください、万代の後までも花の盛りをこころ静かに居られますように。

 

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