竹取翁と万葉集のお勉強

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後撰和歌集 巻20 歌番号1378から1382まで

2024年06月20日 | 後撰和歌集 現代語訳 巻20

歌番号一三七八

原文 幾武之也宇曽従乃美己止幾己衣之止幾於本幾於本以万宇知幾三乃

以部尓和多利於者之満之天加部良世堂万不於保无遠久利毛乃尓

於保无保武多天万川留止天

読下 今上、帥の親王と聞こえし時、太政大臣の

家に渡りおはしまして、帰らせたまふ、御贈物に

御本たてまつるとて

 

原文 於本幾於本以万宇知幾三

読下 太政大臣

 

原文 幾美可多女以者不己々呂乃布可个礼者飛之里乃美与乃安止名良部止曽

和歌 きみかため いはふこころの ふかけれは ひしりのみよの あとならへとそ

読下 君がため祝ふ心の深ければ聖の御代の跡ならへとぞ

解釈 貴方のこれからの栄のために祝う気持ちが深いので、聖帝の御代の事績に習っていただきたいと思って、(この本を贈ります。)

 

歌番号一三七九

原文 於保无加部之

読下 御返し

 

原文 幾武之也宇乃於保美宇多

読下 今上御製

 

原文 遠之部遠久己止多加者寸者由久寸恵乃美知止遠久止毛安止八万止者之

和歌 をしへおく ことたかはすは ゆくすゑの みちとほくとも あとはまとはし

読下 教へ置くこと違はずは行く末の道遠くとも跡はまどはじ

解釈 私の治政が聖帝の教え置いた事績に違わないのなら、我が治政の行く末の道のりが遠くても、先例や事績に対し踏み間違えることは無いでしょう。

 

歌番号一三八〇

原文 幾武之也宇武女川本尓於者之末之々止幾

多幾々己良世天多天万川利堂万比个留

読下 今上、梅壺におはしましし時、

薪樵らせてたてまつりたまひける

 

原文 於本幾於本以万宇知幾三

読下 太政大臣

 

原文 也万飛止乃己礼留多幾木者幾美可多女於本久乃止之遠川万无止曽於毛布

和歌 やまひとの これるたききは きみかため おほくのとしを つまむとそおもふ

読下 山人の樵れる薪は君がため多くの年を積まんとぞ思ふ

解釈 山の人が伐った薪は貴方のためのものです、この多くの薪のように、私も今上にお仕えする多くの年を積もうと思います。

 

歌番号一三八一

原文 於保无加部之

読下 御返し

 

原文 於保美宇多

読下 御製

 

原文 止之乃加寸川万无止寸奈留遠毛尓々波以止々古川个遠己利毛曽部奈无

和歌 としのかす つまむとすなる おもにには いととこつけを こりもそへなむ

読下 年の数積まんとすなる重荷にはいとど小付けをこりも添へなん

解釈 私に仕えると言う、その年を数多く積もうとする太政大臣の貴方が負う重責には、たくさんの追加の難問が集まってくるでしょうね。(政をお願いします。)

 

歌番号一三八二

原文 止宇久宇乃於満衣尓久礼多个宇部左世多万日个留尓

読下 東宮の御前に、呉竹植ゑさせたまひけるに

 

原文 幾与多々

読下 きよたた(源清正)

 

原文 幾美可多女宇川之天宇不留久礼多个尓知与毛己毛礼留己々知己曽寸礼

和歌 きみかため うつしてううる くれたけに ちよもこもれる ここちこそすれ

読下 君がため移して植うる呉竹に千代も籠もれる心地こそすれ

解釈 貴方の求めに応じて移し植えた呉竹には、常緑の竹のように千代の命が籠っている気持ちがいたします。

 

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