竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

後撰和歌集 巻1 歌番号21から25まで

2023年06月02日 | 後撰和歌集 現代語訳
歌番号二一
原文 飛止尓王寸良礼天者部利个留己呂安女乃也万寸布利遣礼者
読下 人に忘られて侍りけるころ、雨のやまず降りければ

原文 与美人之良寸
読下 詠み人知らす

原文 者留多川天和可三布利奴留奈可女尓者比止乃己々呂乃者奈毛知利个利
和歌 はるたちて わかみふりぬる なかめには ひとのこころの はなもちりけり
読下 春立ちて我が身ふりぬるながめには人の心の花も散りけり
解釈 春の季節が来て私はまた一つ年を取り、雨が長く降る様子を眺めて思うには、貴方の心の中の私と言う花も散ってしまったのですね。

歌番号二二
原文 多以之良寸
読下 題知らず

原文 与美比止之良寸
読下 詠み人知らず

原文 和可世己尓三世武止於毛比之武女乃者奈曽礼止毛三盈寸由幾乃布礼々八
和歌 わかせこに みせむとおもひし むめのはな それともみえす ゆきのふれれは
読下 我がせこに見せむと思ひし梅の花それとも見えず雪の降れれば
解釈 私の愛しい貴方に見せようと思った梅の花、でも、その咲く白梅の花がはっきりとは見えない、雪が降っているので。

歌番号二三
原文 多以之良寸
読下 題知らす

原文 与美比止之良寸
読下 詠み人知らす

原文 幾天三部幾比止毛安良之奈和可也止乃武女乃者川者奈於利川久之天无
和歌 きてみへき ひともあらしな わかやとの むめのはつはな をりつくしてむ
読下 来て見るべき人もあらじな我が宿の梅の初花折りつくしてん
解釈 来て見るような人もいないだろう。それなら、私の家の梅の初花だけど、すべて手折ってしまおう。

歌番号二四
原文 多以之良寸
読下 題知らす

原文 与美比止之良寸
読下 詠み人知らす

原文 己止奈良波遠利川久之天武々女乃者奈和可末川比止乃幾天毛三奈久尓
和歌 ことならは をりつくしてむ むめのはな わかまつひとの きてもみなくに
読下 ことならば折りつくしてむ梅の花我が待つ人の来ても見なくに
解釈 このようなことならばすべて手折ってしまおう、梅の花よ。誘いをかけた、あの私が待っている人がやって来て、この梅の花を見てくれないのなら。

歌番号二五
原文 多以之良寸
読下 題知らす

原文 与美比止之良寸
読下 詠み人知らす

原文 布久可世尓知良寸毛安良奈无武女乃者奈和可々利己呂毛比止与也止左武
和歌 ふくかせに ちらすもあらなむ むめのはな わかかりころも ひとよやとさむ
読下 吹く風に散らずもあらなむ梅の花我が狩衣一夜宿さむ
解釈 吹く風に花を散らさないで欲しい。梅の花よ。そのために私の狩衣を梅の木に一夜宿らせましょう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 後撰和歌集 巻1 歌番号16か... | トップ | 後撰和歌集 巻1 歌番号26から... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

後撰和歌集 現代語訳」カテゴリの最新記事