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Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

引き気味だけど社会派で

2009年01月08日 | 中東のことを考えたりして
文京区のシビックホールにて、
ジャーナリスト広河隆一さんの『NAKBA』
アーカイヴ版の完成披露試写会に行く。

昨年公開された同名作品をもとに、
広河さんが長年撮りためてきた
イスラエルとパレスチナの写真や映像を、
実に30枚にわたるDVD-BOXにまとめた、
アーカイヴ版の完成を記念して行われた。

1時間ちょっとのダイジェスト版の上映のあと、
広河さんの挨拶があった。
ちょうど1年前、雑誌の取材でインタビューさせて
いただいたときの温和な感じとはうって変わって、
怒りに満ちた挨拶だった。

いわく、
ハマスがイスラエルに撃ち込んだロケット弾に対抗して、
圧倒的な軍事力をもって報復にあたる、この不公平感。
「戦争を起こした両人が悪い」「また負の連鎖が始まった」
という言説は、思考停止以外のなにものでもないこと。
対岸の火事、と思っている日本人にも責任があり、
自爆テロという意味合いの言葉が、
中東では、「カミカゼ」と呼ばれていること。
そもそもパレスチナのテロ行為は、
1972年のテルアビブ空港乱射事件に始まったと言われ、
それは日本赤軍の犯行によるものだ、ということ。

隣にすわっていた女性が
ものすごい拍手を熱心にしていたので、ちょっと引く。

それでも、
やっぱり無関心ではいられない。
仕事と生活に追われながらも。
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地味で地道のどこが悪い

2009年01月08日 | 日々、徒然に
昼過ぎまで原稿を書き、
午後からデザイナーさんのところで打ち合わせ。
そのあとS社でもろもろ仕事&雑談。
仕事場に戻ったら、もう夕方の6時過ぎ。

ガザも派遣村も関係ない。
ただ、目の前のものを片付けていく。そんな状況。

いま読んでいる本は
村上春樹『意味がなければスイングはない』(文春文庫)。
この中で語られているミュージシャンで知っているのは、
ブルース・スプリングスティーンとブライアン・ウイルソンぐらいなのだが、
クラシックやジャズの素養がなくても、充分楽しめる語り口というか。

寡聞にして、僕はルドルフ・ゼルキン
というピアニストを知らなかったのだが、
本書では、その彼が語っている言葉を引用している。

「あなたのような完成された大家が、どうして毎日、
 それほどまでに長い時間を練習にあてられるのですか?」
という質問に対し、

「私はナチュラルなピアニストではないし、
 ナチュラルなピアニストであったこともない。
 苦労の末にやっとできることなんだ。
 真剣に練習しなければ、まともに演奏もできない。
 たいていの音楽家はそうだと思うんだけど、
 楽しんで舞台に出たことなんて、私は一度としてない。
 でも人前に出るからには、それなりの準備だけはしておきたいと考えるし、
 だからこそこうして一定の水準を保つことができているわけだ。
 インスピレーションを頼りにすることはできない。
 それは神からの賜り物なんだ。
 しかしもし、インスピレーションが
 私にもたらされるようなことがあったら、
 それを受け入れる準備だけはしっかりしておきたいと思う」

すげえ。なんともまあ。
インスピレーションなんか、まったく当てにできない
自分にとっては、いかに地道にやっていくことが重要かと
思い知らされた次第。ふう。

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比べてはいけない

2009年01月06日 | 中東のことを考えたりして
ひたすら原稿書きの日々。
なんとか先が見えてきたかな、と。
来週の前半がひとつのヤマなので、
余裕をもって臨みたいところだ。

イスラエルのガザ攻撃が気になる。
経済危機の報道に右往左往するメディアには、
この中東の大惨事にもっと注意を向けてもらいたい。

戦争がないだけ、この国はまだいい。
でも比べるものでもないだろう。
派遣先をクビになって路頭に迷う人は、
戦争で家族を殺された人と比べて幸せではないか、
と言うのは簡単なのだが、
そういう人に限って、路頭に迷っているわけでもないし、
もちろん戦争で家族は殺されてなんか、いない。

上からものを言うことだけはしたくない、
と思いながら、つい偉そうなコトを口走ってしまいそうな
自分にツッコミを入れる今日この頃である。




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耳を傾けるべき言葉

2009年01月05日 | 日々、徒然に
今日からオフィシャルに仕事始め。
なかなか始動しない脳味噌に喝を入れていたら、
じわじわと去年の仕事状況が身体の中に浸透してきた。
夜にはもうすっかり仕事モードになってしまう。
あの、正月のめくるめくような快楽の日々(ほんとか?)は、
いったいどこにいってしまったのだろう。

今日発売のAERAをめくると、
「2009年・100人の予言」とな。
各界の著名人が、
さまざまなジャンルで2009年を占っている。

やっぱり暗い見通しが多いのだが、
その中でいくつか印象的な予言を引用してみよう。


これまでコミュニケーション力を身につけ、
人間力バリバリを目指すことがもてはやされてきたけれど、
もう疲れちゃったという人も多い。
今後は、地道で堅牢な働き方をしながら、
身近な人たちと充実した生活を送ることが見直されるでしょう。
──本田由紀さん(東京大学准教授)

余剰と言われるくらい人を雇うべき。
人をたくさん雇う責任があるのが大企業。
雇用を生み出してこそ、大企業と呼べると思う。
──三田紀房さん(漫画家/『ドラゴン桜』著者)

新自由主義は団塊世代がつくり上げた世界を壊し、
子供世代のロスジェネを食い物にしている。
本来なら連帯すべきなのです。団塊世代が一度デモに参加して、
子供世代の労働状況を聞けば何かが始まるでしょう。
──吉田司さん(ノンフィクション作家)

そもそも日本では「機会の平等」が
達成されているという思いこみがあり、
成功しない人は
「努力が足りない人たち」という誤解を生んできたのです。
──阿部彩さん(『子供の貧困』著者)

救いは「映画は文化だ」という理念が
スタッフだけではなく俳優さんたちの中に残っていること。
儲かりそうもない作品にも安いギャラで出てくれる。
小津、溝口、成瀬、黒澤ら先達の遺産ですね。
この理念が共有できている間は、
なんとか作り続けていられる気がします。
──黒沢清(映画監督)

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インプット継続中

2009年01月04日 | 日々、徒然に
2日の夜はNHKで「立川談志スペシャル」が放映されていた。
談志師匠のとっておきの噺を5題ほどたっぷりと堪能する。
「やかん」「粗忽長屋」そして「芝浜」。

同じ噺でも、演者によってまったく変わるのはよく知られているのだが、
「芝浜」で、飲んべえで仕事に行こうとしない男と、
なんとか仕事に行かそうと、一計を案じるその妻。
しっかり者の妻、という設定のはずが、
情緒不安定で、夫に岡惚れ(だと思う)という設定に置き換えられ、
これはまた、ものすごい人物描写だなと、度肝を抜かれた。

春風亭小朝師匠の「芝浜」を聞いたことがあるのだが、
ウェルメイドな人情話で、清々しい出来だった。
妻はそれはもう、よくできた女房で、甲斐甲斐しい佇まいが愛らしかった。
だが、談志師匠のは、もっと曖昧で複雑。
ドロドロの人間関係をえぐっているような演じ方。

談志師匠の高座はいちどだけ生で見たことがあるのだが、
マニアックでスノッブな感じがあり、
しかも、こちらの教養を試してくるような挑発ぶりに面食らったことを覚えている。
談志師匠の高座は純然たるエンタテイメントではないことを痛感。

しかし、今回の「芝浜」には驚かされ、そして泣かされた。
ビデオに録るのも忘れて見入ってしまう。
もし生で聞いたら、ボロ泣きだろうな、と。

談志師匠、去年は喉のポリープ手術で、
高座に上がらなかったと聞く。今年は復帰するのだろうか。
コメント (1)
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保守的ファンが喜ぶ図

2009年01月03日 | たまには音楽でも
ボブ・ディラン『テル・テイル・サインズ』を聞く。
ブートレック・シリーズの第8弾だ。
聞いてみて、衝撃。近年のディランの最高傑作ではないか。
ブートということは、ボツテイクのはずなのだが、
こっちのほうが絶対的に、いい。


Bob Dylan "Tell Tale Signs"


『タイム・アウト・オブ・マインド』や『ラブ・アンド・セフト』、
『モダンタイムス』といった近作のディランは、
確かに凄い、という感じはあるのだが、
あまりにもレベルが高くて、
とっつきにくい印象があった。

しかし、このブート盤、
気合の入ったヴォーカルと演奏と、楽曲の良さに
すんなり聞き惚れることができるというか。

DISC1の2曲目、
「モスト・オブ・ザ・タイム」には感涙。
多くのファンが(たぶん)大喜びの
フォークロック時代のディラン、再びという感じ。
80年代の最高作と言われる『オー・マーシー』収録のオリジナルより、
何倍も感動的なナンバーである。

逆の意味で、ディランがボツにした理由もわかる。
あまりにも、パブリックイメージに忠実だから、
絶えず変化し続けるディランとしては、
納得のいかないテイクだったのだろう。

でもいいものは、いい。
他にもDISC2の「リング・ゼム・ベル」のライブ版とか、
スリリングでカッコいい。
やっぱり、いいものは、いいのだ。
何度も聞きたくなる麻薬のようなアルバムである。





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朝湯にとどろく悲鳴

2009年01月02日 | 日々、徒然に
ひい。

正月早々、悲鳴を上げてしまう。

毎年恒例なのだが、近所の銭湯の朝湯に行く。
ジャグジーで腰のあたりを充分にマッサージし、
露天風呂でお天道様の陽を浴びながら、
まったりと湯船につかるほど、幸せなことはない。

ここまでは、よかった。
いい湯だったな~と思っていた。
だが脱衣所で服を着る前に、見てしまったのだ。
そう、鏡に写る自分の姿を。まじまじと。

ひい。

なんだ、この腹は。
いくらなんでも、この腹はアレだろう。
6年ほど前、胃の病気で激ヤセしたのも今は昔。
僕の腹には、これでもか、という感じで
弾力のあるモノがまとわりついている。

このままではいけない。
少しは節制しなければ。
原因はわかっている。
酒だ。ビールだ。熱燗だ。

しかし今は正月である。
やれお雑煮だ、おせちだ、ビールだ、ごろ寝だ、と、
さらに腹がアレになってしまうではないか。

困った困った、と言いつつ、
今日もまた、お雑煮をおいしくいただく。
正月だからな、仕方ないかな、と諦めモード。





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まずはインプットから

2009年01月01日 | 日々、徒然に
あけましておめでとうございます。
去年はいろいろありましたが、
今年もきっといろいろあるでしょう。
まあそれはそれとして、
みなさんにとって面白い年であってほしいと思っています。

元旦の今日は、思い切り朝寝坊をして、
雑煮を食し、年賀状を書く。
今年の目標は、特に掲げないでおこうかと。
強いて言うなら、身体が資本、という感じ。

本もいっぱい読んで、映画もたくさん見て、
多くの人の話を聞いて、
大いにインプットして、大いにアウトプットしたい。

まずは、2009年一発目、
小津の『秋刀魚の味』を見る。
シンプルだな、でも凄いな。
岡田茉莉子も岩下志麻もキレイだな。
と、女優さんに見とれてしまう。
岡田茉莉子がキレイなのは言わずもがなだが、
岩下志麻の若い頃も、素晴らしくキレイ。
ああキレイキレイ~と言いながら元旦の午後を過ごす。
これってちゃんとしたインプットだろうか、と思いつつ。



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