ジガ・ヴェルトフ集団「イタリアにおける闘争」を見る。
徹底的なアジテーションが飛び交う、
ストレートな政治映画かと思いきや、
革命と労働、そしてセックスとの関係を考察しながら、
ときには悩み、逡巡する。
70年あたりのイタリアの政権批判と
革命思想らしき言葉が繰り返され、なんとか思いを観客に伝えようとする。
だけど、編集はぶつ切れでときおり暗転したりして、
いきなり映画を途中で終わらせてしまうんじゃないかと
思うぐらいの優柔不断ぶり。
難解だけれど、たいへん誠実な映画だと思ったりもする。
観客に向かって、革命思想を読み上げるのが
アンヌ・ヴィゼアムスキー。ずいぶんやさぐれちゃってます。
そのあたりが、同じくやさぐれたシネフィルの心にフィットする。
ジガ・ヴェルトフ集団とは、60年代後半から70年代前半にかけて
ゴダールが商業映画から逸脱してつくった政治映画製作グループのこと。
60年代後半、「ウイークエンド」とか「中国女」
「ワンプラスワン」といった、デタラメだけど誠実で
すこぶる面白い政治映画をつくっていたゴダールが
さらに先鋭化して量産したうちの1本が本作。なんとも素晴らしい。
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