ハラスメントとは、
上司と部下とか、先生と生徒とか、
先輩と後輩とか、親と子とか、クライアントと下請けとか。
明確な上下関係や力関係がある状態で、
上の立場にある者が、下の者に対して、
理不尽な要求や苦行を強いたり、
その人の尊厳を傷つけるような行為を行うことだ。
下の者は、もし上の者に逆らったら、
出世できなくなるとか、左遷されるとか、
余計にいじめられるとか、養育されなくなるとか、
金輪際仕事を発注してもらえなくなるとか。
そんな不当な報復を受けることを怖がって、
上の者からの理不尽な行動を甘んじて受け入れてしまう。
ハラスメントを告発するのは難しい。
被害者の方がハラスメントを証明しなければいけない。
たとえば、メールやラインでひどい言葉を投げかけられていたとすると、
被害者は支援してくれる警察なり弁護士なりに、
そのメールの文面を見せなければならない。
あるいは上司に理不尽な叱咤を受けた際、
その状況を録音していたとして、
第三者に聞かせる場合、自分も再度聞いてしまうわけで、
一度だけでなく、二度も傷ついてしまうのだ。
PTSDとかフラッシュバックに襲われる人も少なくないだろう。
「そんなつもりはなかった」
「親愛のしるしだった」
「家族みたいなものだと思っていた」
「こちらの行為(好意かもしれない)を誤解された」
加害者たちはそんな言葉を吐き、
言い逃れをしようとする。
挙げ句の果ては、自分の方が被害者であるかのような
言動をとることもある。
ハラスメントの加害者は権力のある人が多いので、
取り巻きも多いし、体育会系の文化や
昭和テイストの根性論などが浸透していたとしたら、
「いじめられる方に原因がある」という
いくら叩いても壊れないガチガチの固定観念に守られるのだ。
「自己責任」の価値観が強固なSNSの世界にダイブすれば、
加害者は自分を正当化してくれる言葉を
いくらでも見つけることができるだろう。
今回のアップリンクの例が
それに当てはまるかどうかはわからないけれど、
提訴に踏み切った元従業員の人たちの勇気には頭が下がる。
用意周到に、作戦を練っての記者会見だったと思うし、
もはや現代は、ハラスメントを許さない時代であることを、
浅井氏だけでなく、すべての権力者に思い知ってもらいたい。
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