Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

才気煥発がいっぱい

2016年06月04日 | 映画など

ベルナルド・ベルトリッチ監督「暗殺の森」を見る。

名作の誉れ高い映画だけど、以前見たときは

ぐっすり眠ってしまい、あまり覚えていないというか。

だって物語は複雑だし、時制はあちこち飛ぶし、

覚えているのは、エッチなところだけという体たらく。

ということで、再見。今度は寝ずに見ることができました。


 

才気煥発な映画だと思う。

撮影当時、20代後半だったベルトリッチは、

やりたいことを思い切りやっているというか。

構図も、カット割りも、照明もキメキメ。

撮影監督ヴィットリオ・ストラーロによる、

カッコ良すぎる移動ショットに酔いしれる。

 

舞台はムッソリーニ時代のイタリア。

ファシズムの嵐が吹き荒れるなか、

反ファシズムの大学教授とその妻の殺害に関与する主人公。

しかし確固たる信念があるわけでもなく、

子供時代のトラウマに悩まされ、

そしてびくびく怯えながら、

時の政権に迎合しながら生きていく。

 

そんな主人公だが、美人の妻をもらい、

奔放な大学教授の若妻とも訳ありの関係を持つ。

小心者でインテリで美女にモテモテ。

だが、主人公を演じるジャン=ルイ・トランティニャンは

ちいとも嬉しそうじゃなかったりする。

 

時代に翻弄され、イデオロギーに屈し、

官能に溺れる。

そんな男の悲劇というか、

これは喜劇に近いのかもと思ったりする。

 

妻を演じるステファニア・サンドレッリと、

教授の妻役のドミニク・サンダが踊る場面が、やはりこの映画の白眉。

二人とも、美しさとしては絶頂期でしょう。眼福。

 

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