川本三郎『マイ・バック・ページ ある60年代の物語』を読む。
1969年「週刊朝日」の記者になった著者が
自分の目で見て、足でかせいで、体験した熱い日々。
ベトナム戦争。全共闘運動。そしてあさま山荘。
社会も政治も、そして人間も体温が高かったあの時代。
新米ジャーナリストとして、信念を持って時代にぶつかった
若き日の川本三郎が、ある過激派の殺人に関与したせいで
逮捕され、朝日新聞社を解雇されるまでを綴る。
そこにあるものは、
自分たちが信じていたものが間違っていたという
取り返しのつかない敗北感というか挫折感だ。
あの時代に、多少の憧れを持つ自分としては、
川本三郎が語る敗北は、ある意味、
美しいものだったと感じてしまう。
何も戦うものがない。
そもそも敵が誰かわからない。
そんな時代に生きた自分としては、少し羨ましい。
この本で書かれているような体験があったからこそ
負け犬の若者ばかりを描いたアメリカンニューシネマに
限りない愛情を注いだ名著『朝日のようにさわやかに』があるのだろうし、
敗戦、という未曾有の体験が日本人にあったからこそ、
50年代の日本映画は黄金期を迎えたという分析をして、
『君うるわしく 戦後日本映画女優賛』という
出色のインタビュー集にまとめることができたのは、
この人しかできない仕事だと思う。
負けること。
何かを失うこと。
そこから得られる何かがあり、
苦しみながら生まれてくるものも、ある。
川本三郎の本を読むと、いつもそう思う。
その原点がこの『マイ・バック・ページ』だ。
残念ながら、いま絶版になっている。
近く映画化されるというから、たぶん再版されるはず。
1969年「週刊朝日」の記者になった著者が
自分の目で見て、足でかせいで、体験した熱い日々。
ベトナム戦争。全共闘運動。そしてあさま山荘。
社会も政治も、そして人間も体温が高かったあの時代。
新米ジャーナリストとして、信念を持って時代にぶつかった
若き日の川本三郎が、ある過激派の殺人に関与したせいで
逮捕され、朝日新聞社を解雇されるまでを綴る。
そこにあるものは、
自分たちが信じていたものが間違っていたという
取り返しのつかない敗北感というか挫折感だ。
あの時代に、多少の憧れを持つ自分としては、
川本三郎が語る敗北は、ある意味、
美しいものだったと感じてしまう。
何も戦うものがない。
そもそも敵が誰かわからない。
そんな時代に生きた自分としては、少し羨ましい。
この本で書かれているような体験があったからこそ
負け犬の若者ばかりを描いたアメリカンニューシネマに
限りない愛情を注いだ名著『朝日のようにさわやかに』があるのだろうし、
敗戦、という未曾有の体験が日本人にあったからこそ、
50年代の日本映画は黄金期を迎えたという分析をして、
『君うるわしく 戦後日本映画女優賛』という
出色のインタビュー集にまとめることができたのは、
この人しかできない仕事だと思う。
負けること。
何かを失うこと。
そこから得られる何かがあり、
苦しみながら生まれてくるものも、ある。
川本三郎の本を読むと、いつもそう思う。
その原点がこの『マイ・バック・ページ』だ。
残念ながら、いま絶版になっている。
近く映画化されるというから、たぶん再版されるはず。
今よりもずいぶん粋がっていて、青臭くて、
でも、それがカッコイイんですよね。
こないだライターのエム君に貸したら、
たいそう興奮して返してくれました。
エム君も街歩きルポとかやってるからなぁ。
一度、河出から文庫になったようですが、
いまはそれも絶版なんですよね。
映画のスチールかなんかがカバーになって
再販されたら、ちょっと眩しくて、
違和感ありそうですけど(笑)
川本さんの役は誰が演じるのかな。
あの時代を描く映画というと、
若松孝二の「実録・連合赤軍」あたりを思い出すけど、
運動に身を投じた学生よりはちょっと年上で、
悩みながらも、精一杯生きた若者が主人公というのは、
けっこうユニークな青春映画になりそうな気がします。