アキ・カウリスマキ監督「枯れ葉」を見る。
いや、もう。事故で死ななくて良かった。自分。
こうしてアキの新作でクスクス笑って、
ちょっとしみじみして。
クールでスタイリッシュなのに
実にあったかい気持ちになれるんだから。
相変わらずの労働ムービー。
アキ映画に出てくる人たちの多くは
エッセンシャルワーカーだ。仕事は過酷で
賃金はおそらく安い。もちろん文句はあるだろうが、
それを顔に出すことなく、淡々と働く。
ときおり、不条理な扱いでクビになったりするが、
めげずに次の仕事を探し、そして働く。
生きることは働くこと。働くことは生きることなのだろう。
そんな状況にある、やさぐれた男女が主人公の本作。
偶然が重なって出会い、愛を育み合うかと思いきや、
すれ違いの連続で、だからといって、
再会のために躍起になるのではなく、
自分たちのできる最低限のことを粛々と進めるだけ。
無表情でハードボイルドな二人は、感情に表すより行動に移す。
女は犬を飼い、男がやって来るのを待つ。
男はパブで女の子バンドの演奏に背中を押され、
酒を断ち、きれいな身体で女と再会しようとする。
そんな二人がついに結ばれるかと思いきや、
またまた困難がのし掛かる。
でもそうなったらそうなったで、できることをするだけなのだ。
それが生きる希望に昇華していく。
そうか、映画で人生を教わることもあるんだ、と。
アキ監督、引退撤回してくれてありがとう。生きてて良かった。
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