フランシス・リー監督「アンモナイトの目覚め」を見る。
どんな映画なのか、ほとんど前知識がないまま
てっきりアンモナイトの化石をめぐるミステリーだと
思い込んでいた自分が恥ずかしい。
ポスターを見れば、
そんな映画じゃないことぐらいわかるだろうに。
主人公は、ケイト・ウィンストレット演じる、
考古学者のメアリー・アニング。実在の人物だ。
古代生物の化石を何体も発掘した優秀な学者なのだけれど、
時代は19世紀の英国。女性であることを理由に
ロンドンの学会から冷遇され、
海沿いの街で化石の土産物屋を営みながら細々と生きている。
海辺で石を観察しながら、地道に化石を見つけていく
メアリーは、世間をシャットアウトし、
まるで化石のように自分の殻に閉じこもる日々。
そんな彼女の前に現れたのが、シアーシャ・ローナン演じる
ロンドンの貴族階級の人妻シャーロット。
うつ病で療養に来たシャーロットを
看病することになったメアリー。
シャーロットが回復するにつれて、ふたりは惹かれ合っていく。
メアリーが自分を抑制すればするほど
ふたりがむさぼるように求め合うシーンが熱を帯びる。
観客はそのシーンを見つめ、いろんなことを思えばいい。
自分の人生になぞらえてもいいし。
ジェンダーとか時代性とか、
ちょっとアカデミックな考察をしても、いい。
あるいはほとばしる官能性に圧倒されるのも、ありだ。
似た映画を思い出した。
ケイト・ブランシェットと
当時若手のルーニー・マーラの
禁じられた恋愛を描いた「キャロル」だ。
単なる偶然だろうけど、こちらのケイトさんも
相手役に若手女優として人気上昇中の
シアーシャ・ローナンと恋のさや当てをする映画に
出ているのが興味深い。どこかの名画座で
2本立てでやってくれないかな。ケイト禁断の愛2本立て。
ケイト・ブランシェットの巧さは、恐るべしだ。ジャームッシュの「コーヒー&シガレッツ」の一人二役には恐れ入らざるをえない。ケイト・ウィンスレットも実は巧い。こないだ「タイタニック」を見直したけど、やっぱり「エターナル・サンシャイン」だよね。
2人のケイトのように女優を撮りたいと思う。
2人のケイトがいるアメリカ映画は
やっぱり豊かだなあと思ったりします。
これヤスが見れるかどうか分からないが、Newspicksでこれを見てああそうだよなって思った。
中韓エンタメ論
https://newspicks.com/movie-series/28?movieId=1304
「やりがい搾取」「夢を売る人に夢がなかったらなんて不幸な業界だろう」私はまだ映画を監督してさえいないが、プロデュースを考えるべきだなと思った。