LGBT理解増進法が6月に成立して、
出生時に割り当てられた性と
実際の性自認が異なるトランスジェンダーについて、
「女だと言い張っている男が女風呂に入ってきたらどうするんだ」
という言説が飛び交っている。
ずいぶん乱暴な言い分だなと思いつつ、
こうした言説は、かなりねじれたロジックのもとで
飛び交っているものらしい。
朝日新聞の記事でLGBT法連合会事務局長の
神谷悠一さんがこう語っている。
「そもそも犯罪者とトランスジェンダーを同一視するのは誤りです。トイレや公衆浴場、更衣室などに違法な目的を持って入れば、性別にかかわらず現行の法律で罪に問われます」
「公衆浴場は男女で区別することが国の管理要綱で定められており、身体の特徴に基づいて判断することは合理的とされています。男性的な身体に見える人が心が女性と言って女湯に入れるようなことはありません」
だから「俺は女だ」と主張して
女湯に入ろうとする男がいたら警察を呼べばいい。
犯罪なんだから。それだけのこと、というか。
また、同記事で弁護士の太田啓子さんは、
女性を自称する男性が女風呂に入ってきたら怖い、
という言説に対して、
「文字面だけを見れば、そんなのは怖いのは当然と思いますよね。私もそれがトランスジェンダーへの誤解と偏見に基づく差別的な言説だとはすぐにはわからず、戸惑いました。性暴力に恐怖を感じたり警戒したりすることは当然のこと。その心情が軽視されていると思わせてしまうと、なぜそれがトランスジェンダー差別の言説なのかという説明が伝わりづらいと感じます」
と語っている。この太田さんの言葉のおかげで、
差別的な言説ということが腑に落ちたというか。
そもそもトランスジェンダーの定義が
よくわからないという人は、
TBSラジオ「荻上チキSession」で
群馬大学情報学部准教授の高井ゆと里さんが
以下のように語っていたので、紹介すると、
「これまでトランスジェンダーは、からだの性とこころの性が一致しない人、という説明がされてきた。しかし、こころの性と言うと、気分の問題だと思われ誤解を招く可能性がある。現在は割り当てられた性と性自認が一致しないという説明が一般的」
アップデートの必要があるなあ、と痛感する。
日々、勉強ですな。知ったかぶりはいちばんいけねえ。
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