ヤン・ヨンヒ監督「愛しきソナ」を見る。
北朝鮮に住む姪っ子を中心に、
分断された家族のありかたを
愛惜の念をこめて描くドキュメンタリー。
今回の同監督の特集上映で
ようやく見ることができたと思ったら、もう泣けて泣けて。
ヤン監督は在日二世で日本在住だが、
帰国事業で3人の兄は北に渡り、それぞれ現地で結婚、
生まれた子供のうちの一人が姪のソナだ。
監督のカメラによって映し出されるソナは
世界中のどこにでもいる、普通の可愛らしい女の子である。
しかし、彼女が住むのは北朝鮮であり、
成長するに従って、その独特な思想に染まっていく。
その様子を忸怩たる思いで見つめるしかない。
どうにもならない壁が叔母と姪のあいだに立ち塞がる。
それでも、少なくともわかるのは、
北にはごく当たり前の市井の人たちが住んでいること。
この世の楽園と喧伝され、帰国事業で北に渡った
兄たちの過酷な現実も見え隠れするが、
家族の誰も本音を言えないでいる。
ヤン監督は「ディア・ピョンヤン」で北に批判的な態度を
取ったということで、入国できなくなってしまい、
ソナの姿を撮ることは叶わなくなってしまった。
でもいつか姪と再会できたとき、ヤン監督は
きっとその様子をカメラに収めるだろうから、その時を待ちたい。
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