かかりつけのＭ歯科医院にて、
３か月に一度の歯科検診ということで、
歯と口のチェックをしていただく。
「ふーむ。左上の奥に磨き残しがありますね〜
ここは大きく口を開けると余計に歯ブラシが入りにくいですから、
口をだらんと半空きにしてみてください。
そうそう、そうやってポカンと空けるんです〜。
そこにすかさず歯ブラシを突っ込んで、キュキュキュっとね〜」
これ以上ない、と思われるほど
弛緩した半開きの口のなかに歯ブラシを突っ込まれたあと、
歯石を取ったと思ったら、
「レモンでいいですよね〜」
何を言うかと思ったら、研磨剤で歯をみがいてくれるらしい。
その研磨剤にはいろんな味があるとのこと。
「オレンジ味もあるんですけどね〜ここは酸っぱいやつで行きましょう」
と勝手にレモン味の研磨剤で磨きまくる先生。
確かに酸っぱいぞ。そしてちょっと苦い。
「妊娠中の人はいいかもしれませんね〜」
と軽口を言おうと思ったけれど、
そもそも口の中いっぱいに研磨剤が吹き付けられるので、
まともに喋れないのでした。
「この調子でしっかりブラッシングしてくださいね〜。
はい。死ぬまでです。死ぬまで」
レモン味だけに、
思い切り口を酸っぱくして
念を押してくる先生。は、はい。わかりました。
今度はオレンジ味にしてくださいな。
