旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

食品偽装問題を憂う … 何を信じて生きていけばいいのか?

2013-11-08 13:16:56 | 政治経済

 

 大手百貨店やホテルなどの食品偽装問題が相次いでいる。誤表示であったなど言い訳をしているが、明らかに偽装である。客はメニューと違ったものを食べさせられているのだ。
 しかもデパートにしてもホテルにしても老舗が軒並みだ。三越340年、高島屋180年の業歴だ。すべてのデパート、すべてのホテルがやっていると思った方がいい。いわんや、中小さまざまな食品店や食堂等に至っては、偽装をやらければ経営が成り立たないのではないか?

 ニセモノ食品や毒入り米など食品汚染が問題になったのは2008年の夏であった。ギョーザに始まり北は比内鶏、西は赤福など名品と言われた食品にニセモノが含まれていた。あれも老舗料亭「吉兆」が発端であった。
 老舗や各地の名物ほど人々は信用する。大手デパートやオークラなど名門ホテルは、人々が一番安心して食事をする場所であった。いったい何を信じて生きていけばいいのだろうか?

 全ては儲け主義に起因するのだろう。利益第一主義の世の中だ。その資本主義が生まれて200年…、技術の発展、富の蓄積という社会発展の対極に、過剰生産、恐慌、広大な貧困の蓄積という悪も生み出してきた。ついに生きる糧である食品をごまかしてまで利益を追求するところまで熟して来た。
 熟し切ってついに落ちるのは、いつの日のことか?
 


自然の営み、人の営み…

2013-11-05 10:27:38 | 時局雑感

 

 楽天の優勝とマーくんの熱闘に酔いしれていたら、いつの間にか甲州街道のケヤキは色づいていた。このところ毎年同じことを書いているが、あの猛暑からは考えられない冷気に包まれている。
 自然の営みは確実に進んでいるのだ。昨日は関西では木枯らし1号が吹いたそうだ。

        

 マーくんの力投を見ていると、人間の営みの凄さを感じる。特殊な才能のみに与えられた営みとはいえ、自然の営みと違った血のぬくもりがあるところに一層の凄みを感じる。
 最後の勝利を決めた第七戦9回の投球も凄いと思ったが、それ以上に感動したのは第六戦の「敗北の完投」であった。あの160球には涙が出た。勝ち敗けではないのだ。いかに人事を尽くすかなのだ。そこに人の営みの素晴らしさがあるのだろう。

 今月は、飲み会も含めて八つの行事が連なっている。例月に比べて多い。マーくんとは比すべくもないが、私も細々と営みを続けていこう。


人間マーくん、160球の敗北

2013-11-03 12:32:12 | スポーツ

 

 「神様、仏様、稲尾様」と言われた稲尾の記録を、アッさり破ったマーくん。神様、仏様を凌駕するのでは何と呼べばいいのか?…、と悩んでいたが、彼もやはり人の子であった。
 レギュラーシーズンで開幕24連勝、CSと日本シリーズで各1勝を加え、昨年8月以来30連勝というから並の記録ではない。あの厳しいプロの世界で、30試合を投げて負けないというのは、やはり神様、仏様の水準と言わねばなるまい。
 それを阻んだのはやはり「巨人の壁」であった。しかも不調を伝えられ前半戦はスタメンから外れていたロペス、高橋由に打たれた敗北に不思議な命運を考えざるを得ない。
 しかしその負け方も尋常ではなかった。並の投手なら4点を取られて力尽きるところであろうが、彼は完投した。星野監督も替える気配も見せなかった。そして最後は、勝ち越し打を打たれた高橋由を152キロの速球で三振に仕留めた。実に160球目であった。

 一方、勝った菅野はどうであったか。好投して2点リードしながら勝利の方程式にしたがって7回で替えられた。7回を3安打に抑えたこの若者は完投したかったのではないか? マーくんと投げ合い完投して勝ったら、この青年の未来はもっと光り輝くものになったのではないか?
 しかし、菅野がいくら願ったとしても、巨人野球の伝統(常に勝たねばならぬ)を背負う原監督は、そんなロマンよりも冷徹な一勝を選んだに違いない。


楽天が王手! … 「巨人の壁」に風穴を開けた

2013-11-01 10:12:26 | スポーツ

 

 日本シリーズで楽天が王手をかけた。昨夜は久しぶりに興奮して、最後のインタービューまでテレビを見続けた。
 正直言って9回に追いつかれた時には負けたと思った。何と言っても前夜の印象がある。4対1で勝っていながら、じりじりと追いつかれて最後は負けた。たいしたヒットも打たれていないのに12四死球で楽天は自滅した。巨人に対してはストライクが投げられないかに見えた。
 これが先日(10月19日)も書いた「巨人の壁」なのだ。80年の歴史を誇る伝統、読売の財力(これまた何度も書くように選手の報酬は広島の2倍と言われている)、圧倒的な人気(巨人、大鵬、卵焼きなのだ。みんな卵焼きが好きなように日本中が巨人ファンだ)…これが厚い選手層を生み、他チームに分厚い壁を作っているのだ。
 引き続く昨夜の試合も、2対0とリードしながら8、9回に追いつかれる。「やはり巨人の壁は破れないか…」と一時は楽天の負けを覚悟した。それを跳ね返した勝利は大きい。

 東北人銀次が決勝打を放ち、新興チーム楽天が最古チーム巨人の壁に風穴を開けた。
 なんとかあと一勝して、本当に「巨人の壁」を打ち破り、プロ野球に新しい時代を築いていってほしい。


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