「神様、仏様、稲尾様」と言われた稲尾の記録を、アッさり破ったマーくん。神様、仏様を凌駕するのでは何と呼べばいいのか?…、と悩んでいたが、彼もやはり人の子であった。
レギュラーシーズンで開幕24連勝、CSと日本シリーズで各1勝を加え、昨年8月以来30連勝というから並の記録ではない。あの厳しいプロの世界で、30試合を投げて負けないというのは、やはり神様、仏様の水準と言わねばなるまい。
それを阻んだのはやはり「巨人の壁」であった。しかも不調を伝えられ前半戦はスタメンから外れていたロペス、高橋由に打たれた敗北に不思議な命運を考えざるを得ない。
しかしその負け方も尋常ではなかった。並の投手なら4点を取られて力尽きるところであろうが、彼は完投した。星野監督も替える気配も見せなかった。そして最後は、勝ち越し打を打たれた高橋由を152キロの速球で三振に仕留めた。実に160球目であった。
一方、勝った菅野はどうであったか。好投して2点リードしながら勝利の方程式にしたがって7回で替えられた。7回を3安打に抑えたこの若者は完投したかったのではないか? マーくんと投げ合い完投して勝ったら、この青年の未来はもっと光り輝くものになったのではないか?
しかし、菅野がいくら願ったとしても、巨人野球の伝統(常に勝たねばならぬ)を背負う原監督は、そんなロマンよりも冷徹な一勝を選んだに違いない。
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