旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

イチロ-、執念で手にしたオバマのサインボ-ル

2009-07-17 10:29:47 | スポーツ

 米大リーグオールスター戦に出場したイチローが、始球式を行ったオバマ大統領からサインボールをもらった記事が各紙に掲載された。
 ボールにサインする大統領の傍に立つイチローは、少年のような喜びを体いっぱい表してている。新記録を打ち立てたときも表情を崩すことの少ないあの冷徹なイチローにしては、珍しくはしゃいでいるかに見えた。よほどうれしかったのだろう。イチローをそんなに喜ばせたオバマという人間にも、改めて頭が下がるが・・・。

 大統領からサインをもらうことは、リーグとしては禁止していたようだ。ところが「ロッカーのいすに置いてあったボールが転がり落ち、偶然にも大統領の足元へ」(7月16日付日経新聞32面)、拾い上げた大統領が「サイン欲しいかい?」(同)となったと言う。
 物事はそんなにうまく行くものだろうか? 「偶然にも」というのがなんとも怪しい。私は、これはイチローが仕組んだに仕業に違いないと確信している。
 彼は大統領からサインをもらう方法を考え抜き、しかもリーグの禁止事項に触れないように「偶然にも」起こった事件を仕組んだのだ。そもそも彼が執念を燃やす『ヒット』なんて、バットを振り回していれば偶然にも生まれるものではない。特に彼のヒットは、執念に執念を重ねて生み出したという感さえする。
 今回の「大統領の足元へ転がったボール」もその延長線上にあったに違いない。そこにイチローの凄みを感じた。
 一方大統領も相当なものである。いすから転がり落ちたボールなど無視しても(むしろ無視した方が)大統領としては自然で、威厳を損なうこともない。しかしイチローの執念を読んだのか、さりげなく拾い上げサインするところが、「
ただ者ではない」(イチローの言葉)のであろう。

 常人をはるかに超えた二人の人間が、一瞬に演じた超人芸といえよう。
                           


投票ボタン

blogram投票ボタン