桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

はした金!?

2016-01-23 | Weblog
安倍のお友だち、甘利が「斡旋利得罪」を問われる賄賂を告発された。
千葉県の建設業者が公社とのトラブルに甘利大臣の口添えを依頼して解決したことから、そこで公社から得た金の一部を甘利側を渡した犯罪のようだ。告発した人は録音などの証拠を持っているそうだから、今回は、下村のように逃げ切ることは難しいかも知れないね。
この犯罪報道の中で自民党の山東昭子は「録音をして告発するなど、ゲスの極み」と批判した。今日のテレビでも「なぜ録音してまで告発したのか?」などと告発した人を批判的に語る人もいたが、政治家の立場を金にする輩こそ、問題ではないのだろうか。
甘利大臣に持参した現金は50万で、それが2度。他にお礼を含めてトラブル解決で得た金から、甘利側には1千2百万が渡されたとか。
昨日、竹中工務店の子会社、竹中土木で使途秘匿金が1億2千万あったと報道されたが、会社が使途を明らかに出来ない金とは、一体何に使ったものだろうか?判るよね?
甘利たち政治家は、その立場から得る力を使い、大企業などの利益となる活動をして密かに金を貰う。竹中土木にあったと言う使途秘匿金は、果たして竹中土木だけのことだろうか?
「たった100万の現金だぜ!1千2百万ぽっちだよ!?」きっと甘利の本音を聞けば、そんなことを言うのではないだろうか。

再び県警へ

2016-01-21 | Weblog
情報公開で求めていた証拠書類などの保管規定が開示され、茨城県警へ行った。昭和42年辺りの規則は残されてないようだが、今の規則の規則にあるのは昭和32年の捜査規範にあることが判った。
どこまで俺たちの事件の資料を出させる力になるかなぁ。
本部長指揮簿を「保存していない」とする理由を知りたい、と申し入れたらば、捜査1課の人が来て「どこを探してもないんです。すみません」とのことだった。余り、真っ直ぐに俺の顔を見なくて、やはり正直に話せない理由があるように感じた。「昭和61年の那珂川洪水で流出した」と言わなかったのが、マシかな?

法政二高

2016-01-20 | Weblog
今年も声を掛けて頂いて、法政二高から法政大学の法学部に進学する生徒たちに話をして来た。
俺の話は、何時も同じにはならない。何度話しても同じように話すことは出来なくて、今日も思うままに話して来た。
質問時間は45分くらいあったが、最初を質問を強制的にさせたらば、次からは、かなり手が上がったのをみると、皆さんが何かを感じてくれたのではないかと思えた。
先日のバス事故では、法政二高の卒業生も犠牲になったとか。その不運を思うと、失った親の苦しみを感じてしまい、「桜井さんの家族は?」の質問が胸に刺さり、涙が出てしまった。殺人事件で子供や家族を失う人の痛みも、不慮の事故で家族を失う人の痛みも同じ。絶対に癒されない。だから、最後の言葉は、絶対に命を失わないで自分の才能を生かすために頑張って欲しいと言って来た。

ふたりの死刑囚

2016-01-20 | Weblog
昨日は、ポレポレ東中野で上映されている「ふたりの死刑囚」を見た。
袴田事件の袴田巌さんと名張事件の奥西勝さんを描いた、東海テレビの作製した作品だが、袴田さんは再審開始決定を得て釈放され、奥西さんは再審開始と棄却の判断に翻弄されて獄死。同じ冤罪なのに生まれた決定的な違いには、同じように冤罪を体験した身には差し挟む言葉のない思いだった。一度起訴したならば有罪を維持するために手段を選ばない検察の汚さには、なぜこのような検察が存在し得るのかと怒りを感じるばかりだし、裁判所を含む司法の理不尽さには、これが正さずには日本の正義は取り戻せないと、改めて思った。二人の事件を並べて描くことで法治国家日本の実態を鋭く描き出した作品になっていた。
ほんの少し平沢貞通さんの帝銀事件に付いても加えられていたのが、これだけではないんだよ!?と知らせるし、作品の深みにもなっていた。
ふたりの死刑囚の前に上映していた「ヤクザと憲法」は、その筋の客も含めて50人くらいの感じだったが、ふたりの死刑囚は20人に満たなかったのが残念だった。

慰安婦問題

2016-01-19 | Weblog
昨日も、安倍は国会で慰安婦問題を語り、「証拠はない。ないが外交として軍の関与を認めた」ごとき答弁をした。素直に認めりゃ、いいのに。
俺が慰安婦問題を書くと、必ず反論を書いてくる人がいるけども、安倍の主張を聞くたびに、軍が関与し、主導して業者を動かした証拠ならば、日本でも検証されているだろうに、見る気持ちのない人には見えないのかなぁ、と思うばかりだ。
慰安婦はいた、強制的に連行された人もいた、そこから始まらない根拠は、なぜなのか、俺には安倍や、それを取り巻く連中の思考が理解出来ない。
「朝鮮人の徴兵は無かった。総て志願で何万人」と言われても、そんな従順な朝鮮人ならば、なぜ日本は強制連行で日本に連れて来て強制労働させたのだろうか?と不思議になるばかりだ。
徴兵、志願兵などの数字が慰安婦問題と結び付く証になるのならば、今でも解決しないで燻る大企業が関わる強制連行問題は、どう考えればいいのだろうか。
確か、オランダ人でも強制的に慰安婦にされたと訴える人がいるはずだが、あの女性も嘘なのだろうか。それともオランダ人だけは正しいが、朝鮮人は嘘と言うのだろうか。
そうだ!と信じる人は、それで構わない。それは自由だ。
そういう論もあるだろうが、これまでに慰安婦問題を日本で検証して来た人が示した見識が信じられる、と俺は思うだけなのだが。そして、いい加減に安倍さんも素直に認めなよ、と思うだけだ。

SMAP騒動

2016-01-19 | Weblog
俺はアイドルに興味がない。ましてや、男性アイドルなど、全く関心がないので、今回の解散だとか、独立だとかも、「そんなのどっちでもいいわ」と思っていたが、驚いたことだけはある。
メリー喜多川とか言うらしいジャニーズ事務所の副社長は、大変な権威なんだね。「独立する4人には、この業界で仕事をさせない!」と激怒したとか。
ヤクザ世界では、こういう話はあるよね、組抜けをした脱退者に「この業界で生きて行けなくする!」ね。まあ興業界のこと、昔はヤクザが仕切っていたし、メリー喜多川姉御も、その名残なのだろうが、自分の意に反したらば潰す!なんて、まるでヤクザ社会だよなぁ。
もっとも、あらゆる番組とテレビ局にジャニーズ事務所のタレントを使わせている事務所の威光と力に自信満々だから、こんな傲慢な言葉が出て来るんだろう。ご尊顔を拝見したいなぁ。

今度はテニスだって

2016-01-19 | Weblog
陸上競技はドーピング見逃しで賄賂。サッカーは開催地選びなどで賄賂。人の集まりは腐るけど、今度はテニス。負けて金、だって。いゃあ、金の力は凄いなぁ。
金は生きるために必要な制度だと思う。目的ではなくて手段だ。紙幣でなくて石でも鉄でも、何でもいい訳だから、道具のはずだが、それが生活に自由や満足を与える物だから、何よりも大切になってしまう。仕方のないことかも知れないけど、フェアであることが不可欠なスポーツの世界が金で結果を左右しては存在意義を失わせるだろう。
それも判らなくなるのが金の魔力だし、人間の性かねぇ。

仕方ないね

2016-01-18 | Weblog
郵便局に振り込みに来た。送金額は、11万と少しだが、これが機械では送金出来ない。
窓口に来たらば、何と証明書やら何やらを求められた。
う~ん、振り込み詐欺の多い時代だから、これも仕方ないのかなぁ。

納骨

2016-01-15 | Weblog
千葉刑務所仲間にも色々な人がいた。
これならば人を殺すだろうと感じる人がいれば、なぜ?と感じる人もいた。
俺が行ったときの千葉刑務所は初犯者の入る刑務所だったから、ほとんどの人は「きっと人生をやり直すだろう」と思える人ばかりだった。でも、信頼出来るかとなれば、そう感じる人は、そう多くはなかった。
その中で新井清明さんは信頼出来る、何人かの独りだった。
かなり有名な殺人事件の犯人だったが、「俺、酒を飲んで薬も飲んでたから記憶がないんだよ。確かに、朝起きたらば手などが血だらけだったし、殺したと思うが、覚えてない。覚えてないから、悪いけど罪の意識もないんだよなぁ」と言っていた。
その罪の意識の無さが反省の無さと思われてか、1審が死刑、2審で無期懲役になって千葉刑務所で一緒になった。
新井さん(俺はセイちゃんと読んでいた)とは10年ほど、一緒の工場にいたが、彼は感情的になることがなかった。何時も冷静、平静。仲間に喧嘩を売られても買うことはなく、自分から進んで「仕事をしません」とか言って懲罰に行ってしまい、両成敗になる喧嘩を回避していた。他人の足を引っ張ったり、自分だけは良い思いをしようとする仲間が多い中で、このセイちゃんの行動は驚くばかりだった。「なぜ、自分だけ懲罰に行ってしまうの?」と聞いたことがあったけど、「トラブルは嫌いだし、相手の家族などを思うと喧嘩して懲罰に出来ないと思う」などと言っていた。
そんな彼も、対職員となれば違う。意地の悪い職員に嫌がらせなどをされようモノならば、「殴りますよ!」と宣言して殴ってしまう。身体にイタズラ書きをしてるヤクザさんでも、社会に帰る時期を左右する職員には、へいこらする人が多いのに、セイちゃんは特別だった。
社会に帰った後、それなりに付き合いを続けたが、彼には欠点が2つあった。
1つは異常な薬好き。
何しろ、刑務所にいたときには「3日後の頭痛薬」を貰うし、飲める薬ならば、何でも貰って飲んでいた。社会に帰っても、それは変わらなくて、薬に身体が蝕まれて逝ってしまった。
2つ目は意志の弱さだ。
セイちゃんは芸術の才能を持っていた。詩や俳句を書いても、彼の視点はカミソリで描き取るような鋭さがあった。絵を描いても見事だった。でも、その才能を育てる継続した努力をする意志力がなかった。
昨年、亡くなったときは、身寄りの無い彼の荷物を整理したが、1年が過ぎて、誰も身寄りが出て来ないと言うことで福祉事務所から遺骨が戻された。
俺は、自分の任務は終わったと思い、納骨まではやる気持ちが無かったけども、新井さんのデイケア仲間から「代金は半額出します。納骨したいので協力してください」と言って来た。
そこまで言う人がいるならば、これもセイちゃんとの縁。引き受けて、今日、納骨して来た。
墓を開いて、並んだ母親、祖母の骨壷と一緒になるのを見たらば「良かったなぁ」の思いが湧いて来た。
セイちゃん、安らかに眠ってな。
この絵は、セイちゃんの水彩画。仮釈放で出て来たとき、プレゼントでくれた作品だ。

刑法犯罪

2016-01-15 | Weblog
日本の犯罪発生は、前年に較べて10%減、検挙率は33%弱だったそうだ。 戦後から一貫して犯罪発生件数は減り続けているし、犯罪発生件数と同じように警察の犯人検挙率も下がり続けている。
この両者に関連性はないだろうが、警察官の人数は増え続けているのに犯人検挙率が下がり続けていると言うのは、日本の警察は巧く機能していない証ではないのだろうか。
警察は「官民の力で治安は維持されている」と語ったらしい。
そう、警察の力だけではない。国民の順法精神があればこそ、日本の治安は守られているのだ。極端な話かも知れないが、もし、明日、警察官数を半分に減らしたとしても、今の治安に変化はないだろう。
警察は大事な組織であることは認めるが、過大に評価されているし、過大な存在になり過ぎている。