桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

与謝野馨

2009-03-21 | Weblog
今、自由民主党で次の総理大臣に一番近いと目されていて、麻生政権で二役、三役と背負い、病体ながら頑張っている。
昨日、与謝野さんは小沢秘書逮捕の件で、日本の刑事訴訟手続きは世界で一番民主的で透明性が高い、と発言したらしい。
判ってない。まあ自由民主党、権力を握り続けた組織にいた者としては仕方のない感覚だろう。自民党には検察が民主的で透明性が高いと感じるのだろうが、決してそうではあるまい。
検察組織の警察権力に対する不透明さは、余りにも無惨。恥ずかしさを覚えるのは、俺だけだろうか。
自民党権力の一部にはメスを入れたことがあったかも知れないが、そんなことは氷山の、余りにも目立った部分を削いだだけに過ぎまい。
過去から現在まで、警察が防犯や捜査を名目にして犯した国民に対する不法行為、犯罪行為は数限り無くあるが、それらの行為を検察が正しく判断し、起訴したことは無い。全く無い。
何時も起訴猶予、お咎め無しで見逃しているのだ。
与謝野さんは、この現実をご存知ないようだ。
小沢秘書逮捕は、それなりに根拠はあろう。金に汚される日本の政治。検察は正しく法律を行使して不正をテッケツして欲しい。頑張れ樋渡検察!と応援したいが、与謝野さんの発言を聞くと、政権交代で検察のみならず、司法の総てを改革しなければならないと思わされる。

土浦宣伝

2009-03-20 | Weblog
東京高裁に闘いの場が移ってから、俺は高裁への要請をした後、有楽町マリオン前宣伝に参加していた。その間も茨城守る会は、何れ闘いは土浦の裁判所に戻ることになるからと、土浦駅前宣伝を続けていた。
昨日は、水戸での告別式があったので、久しぶりに最高裁への要請には欠席したが、その代わりに土浦駅前宣伝に行った。土浦駅は変わっていた。駅ビルが廃業したせいで、まるで人通りは無くなり、ただ通勤客が通るだけの場所になっていた。
7名で約1時間。15筆の署名の協力を得た。
今年中には土浦支部での裁判が始まろうが、市民の反応は東京とは違う。終了後、わざわざ寄って来て署名に協力してくれた人もいた。

合葬追悼会

2009-03-18 | Weblog
社会の革新、変革に尽くして亡くなられた人たちを青山墓地に合葬する行事が、毎年3月18日にある。 俺が支援される救援会関係者も多くて、細やかな感謝のつもりで式典の手伝いをさせて貰っていて、今日も参加した。
全国から1100名を超える人が合葬され、その遺族などが全国から参列して、今年も盛大に行われた。
今年は、遺影を預かり、祭壇まで運ぶのと、行進では花輪持ちをした。全国の人にご挨拶できたし、今年もお礼が出来た気持ちになった。

名張事件支援集会

2009-03-14 | Weblog
東京守る会が主催した今夜の集会は、百を超える人が参加した。
やくみつるさんがメインゲスト。あらゆることに造詣の深いやくさんだけに、事件の知識も深くて、名張弁護団の伊藤先生への質問も鋭かった。
東海テレビの番組を見て、改めて裁判所の罪を考えさせられた。自白の呪縛に捉われている裁判所こそ、冤罪の元凶なのだ。裁判員制度を契機に、何としても一般社会の常識を裁判に反映させるしか、今の裁判を変革する機会は無いかも知れない。
少し疲れているが、参加して良かった。

梅祭り宣伝

2009-03-14 | Weblog
布川の行事は晴れる。天候に恵まれるというのが定番だった。これまで雨が降っても行事に影響したこともなかったが、どうやら今日は無理のようだ。雨に風、例年ならば人に溢れる偕楽園も閑散として、総ての露店は閉まったまま。それでもバスツアー客は来ていて、それなりに見学客はいるが、こんなに寂しい梅祭りは初めてだ。
夏前に決定があるだろうから、これが最後の行事になるのだろうが、雨!これもいいかも知れない。雨の中、それでも来てくれた人は15名。今日は長年の行事に対する慰労会だ!となった。

狭山事件集会

2009-03-12 | Weblog
初めて参加したが、会場に着いて驚いた。いきなり公安警察の群れ。玄関前にいる青いヘルメットたちを監視していたのだが、それを警察と感じたオレの嗅覚、優れていたなぁ。警察って臭いがする。裏金、権力、不正、ね。
ジュネーブ以来、ムショ仲間の石川さん夫婦とも会ったが、元気そうだし、生き生きしてるので嬉しかった。
会が始まって驚いたのは、青いヘルメットと臭いが会場にいたこと。
俺は差別されてきたの痛みは判るつもりだ。毎年、橋のない川を読むのが獄中の正月だった俺は、誰よりも差別を憎むし、日本社会から根絶しなければならない意識だとは思うが、権力の悪と闘う集会として、あの存在は許されないと感じた。一晩考えてのことだが、狭山事件の解決を難しくしている本質が、あそこにあるのかも知れないと思った。
冤罪仲間、同じ千葉の釜の飯を食った仲間、石川さんにも勝って欲しいし、そのためには出来る限りをしようと思ったが、同時に闘いの難しさも知った。

樋渡利秋検事総長

2009-03-11 | Weblog
「自民党には捜査が及ばない」発言余波で、何だか民主党が検事総長の証人喚問と言ってるらしい。
意味も無いことを騒いでるね。樋渡さんは政治的言動がお好きだと、その人柄を聞いたことがあったけども、証人喚問をしたって、無実の証拠を隠して平然と有罪だと主張する検察の親玉だよ。真実など話すはずがない。
証人喚問のニュースが出たせいで、初めて樋渡さんの顔を見た。う~ん、微妙。前任者の但木さんには直接に会い、人の思いが通じないモノ、表現は悪いが爬虫類的な目と精神を感じたのだが、樋渡さんにもいい印象は感じないねぇ。
日本社会と言うのは、正義を法に依って行使する人から人間性を奪ってしまうような欠陥でもあるのだろうか。

2009-03-11 | Weblog
昨日は温かい1日だった。木々の芽も膨らんだことだろうが、桜並木を遠く眺めると枝先に赤みを感じるようになって、本格的な春の近さを感じさせる。
春になり、花に触れたり、あれこれの歓びを味わうのもいいが、俺は今ごろの季節感が一番好きだ。
土手の枯草色に、少しずつ青みが増したり、木々の枝先に膨らむ彩りを見つけたり、風の中に細やかな変化を感じたりするとき、心に春を思い描く歓びの方が、実際に味わうよりも気持ちが躍るからだ。
きっと求めた自由への思いを春に託した月日が、余りにも長すぎたせいで、今でも春を待っ思いが好きなのかも知れない。

再び漆間官房副長官

2009-03-10 | Weblog
「自民党には捜査は及ばない」発言当事者が釈明したね。
今までにも聞き飽きた言葉を連発したらしい「記憶にない」だと。
言ってくれるよね。
警察は嘘吐き。嘘吐きの集団。異論のある人は知らないだけ。彼らの一人ひとりは正義や真実の心を持っていようし、いい人もいるだろうが、集団、組織になると駄目なんだな、これが。
裏金、でっち上げ、法による正義の行使機関として最悪だね。
そのトップにいた人物が漆間さんだから、まあ嘘は当たり前。でも、政治家の疑惑釈明と同じ「記憶にない」は笑える。警察官僚だから、こんなものだろう。記者の言葉を否定しなかったことが、僅かの救いかも。

慣れ

2009-03-08 | Weblog
俺は待っことに慣れている 長い月日をえん罪と向き合い 無実と認められる日を待って もう42年になるもの
俺は悲しみにも苦しみにも慣れている 父も母も知らぬ間に消えてしまい 自分が失ったものを 確かめるすべもないままにに 獄に過ごした29年 なし得ること なし得たこと 泡沫と失った総て
俺は幸せにも喜びにも慣れている 無実の罪に寄せてくれる人様の善意 善意からなる無償の支援行為 支援行為にある人間愛 人様の思いを全身に感じていた月日
今 俺は総てに慣れ過ぎた
悲しみや苦しみが息の詰まる苦悩だったとき その苦悩に正面から立ち向かい 自分の命と人生を必死に考えていた
幸せや喜びを感じているだけだったとき 人様の好意を真っすぐに 人様の思いを真っすぐに 人様の愛を真っすぐに見つめ 触れれば壊れるもののように慈しんでいた
余りにも大きな苦悩が生み出した幸せや喜び 独りになる寂寥をも そこから生まれるものがあると開き直る精神
手を取り合い 語り合い 抱き合い 直接に識る幸せと喜びは 風のように感じていた尊さを運び去った

俺は慣れた 総てに慣れ過ぎた