俺は待っことに慣れている 長い月日をえん罪と向き合い 無実と認められる日を待って もう42年になるもの
俺は悲しみにも苦しみにも慣れている 父も母も知らぬ間に消えてしまい 自分が失ったものを 確かめるすべもないままにに 獄に過ごした29年 なし得ること なし得たこと 泡沫と失った総て
俺は幸せにも喜びにも慣れている 無実の罪に寄せてくれる人様の善意 善意からなる無償の支援行為 支援行為にある人間愛 人様の思いを全身に感じていた月日
今 俺は総てに慣れ過ぎた
悲しみや苦しみが息の詰まる苦悩だったとき その苦悩に正面から立ち向かい 自分の命と人生を必死に考えていた
幸せや喜びを感じているだけだったとき 人様の好意を真っすぐに 人様の思いを真っすぐに 人様の愛を真っすぐに見つめ 触れれば壊れるもののように慈しんでいた
余りにも大きな苦悩が生み出した幸せや喜び 独りになる寂寥をも そこから生まれるものがあると開き直る精神
手を取り合い 語り合い 抱き合い 直接に識る幸せと喜びは 風のように感じていた尊さを運び去った
俺は慣れた 総てに慣れ過ぎた
俺は悲しみにも苦しみにも慣れている 父も母も知らぬ間に消えてしまい 自分が失ったものを 確かめるすべもないままにに 獄に過ごした29年 なし得ること なし得たこと 泡沫と失った総て
俺は幸せにも喜びにも慣れている 無実の罪に寄せてくれる人様の善意 善意からなる無償の支援行為 支援行為にある人間愛 人様の思いを全身に感じていた月日
今 俺は総てに慣れ過ぎた
悲しみや苦しみが息の詰まる苦悩だったとき その苦悩に正面から立ち向かい 自分の命と人生を必死に考えていた
幸せや喜びを感じているだけだったとき 人様の好意を真っすぐに 人様の思いを真っすぐに 人様の愛を真っすぐに見つめ 触れれば壊れるもののように慈しんでいた
余りにも大きな苦悩が生み出した幸せや喜び 独りになる寂寥をも そこから生まれるものがあると開き直る精神
手を取り合い 語り合い 抱き合い 直接に識る幸せと喜びは 風のように感じていた尊さを運び去った
俺は慣れた 総てに慣れ過ぎた