桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

シンポジウム国際水準からみた日本の人権

2009-03-06 | Weblog
昨年、国連から提出された勧告を受けてのシンポジウムが開かれた。
俺も参加して発言したが、日本の中で人権を侵害されて戦う人も、それぞれに発言した。
人権という抽象的な問題は、日本人の感覚として一番鈍いところかも知れない。公共の福祉なる言葉で人権を制限する裁判所の判断は多いし、今も東京都では生活安全と称して、また人権を規制する条例を作ろうとしている。
刑務所も、そうだった。幹部が交代するたびに、新しい人が規則を積み重ね、がんじがらめに受刑者の自由を縛っていた。やはり、刑務所は日本の縮図、社会を示す鏡なのだ。
権力を握る者は、自分たちの思うままに従う国民を望んでいる。異を唱える人は嫌いなのだ。
これに抗うには異議を唱え、声を上げるしかない。戦いを続ける人があるかぎりは、必ず正義は実現するし、社会も変え得る。
困難に怯まずに戦う訴えを聞きながら、そう思った。
参加者は140名。予想を遥かに超えた。

2009-03-06 | Weblog
このところ、土方には微妙な天気が続く。雪も大したことは無かったし、雨も降れば休みなのに景気の悪い降り方しかしなくて、仲間など、日曜日も呼び出されて連続二週も仕事になると嘆いていた。
昨日、明日は絶海に降るから、ゆっくり休んでと言ったが、その根拠は大したことは無くて、だだ俺が休みだから雨になるのは確実と言った。
全く不思議に、こんなことが多い。今月に入っているも働ける日は無事に働けるた。信じる者は救われると言うが、何かに守られてると感じる。

2009-03-06 | Weblog
雪が降った朝は寒い。空の下で仕事をする土方は、もろに寒さを受けて、手足が痺れる。身体を動かしていれば未だしも、小型重機に乗ったりすると風防が無いので、寒いなんてものじゃない。
先日の雪のとき、忘れていた感覚を思い出した。刑務所では、毎朝、この痺れを味わっていたことを。
人間の体温というのは凄いもので、狭い独房に入っていれば、厳冬期でも、さほどに寒いとは感じない。体温の熱が狭い房に籠って温める。でも、作業で舎房を出たら大変。特に、舎房衣と工場衣を着替える検身場では、パンツ一丁の裸になる。危険物を工場から持ち帰らない、持ち込ませないで行われるのだが、舎房の温かさを残す衣類から寒さに吊るされていた工場衣に着替えたら、その衣類が体温に温まるまで、寒いんだ。さらに、検身場から工場まで歩いて行くときに「指先を伸ばせ!」なんて怒鳴られながら「イチ!ニイ!イチ!ニイ!」なんて馬鹿げた大声を出して歩かせられる。俺は、「気狂い行進」と言っていたが、このときが、さらに寒い。指先は、耐えられないほどに痛くなった。
社会に帰って13年。忘れたね、あのときの辛さ。当たり前に暖房があって、寒さを感じない生活に馴染み過ぎた。忘れたことが良いのだか悪いのだか、どっちだろう?

それを言っちゃあ お仕舞いよ

2009-03-06 | Weblog
刑務所では、必ず「男はつらいよ」が上映された。だから、俺も全ての作品を見ていると思うが、寅さんが柴又で喧嘩をして旅に出るキメ台詞、それを言っちゃあお仕舞いよ!思い出すね、刑務所。
俺が検察の捜査を「おいおい、やるね検察庁!」と書いても、別に問題は無い。布川事件を通して、卑劣な証拠隠しをされ、全く反省しない実態を体験させられているのだから。でも、小沢さんが言っちゃあお仕舞いよ、だね。
政治家にとっての金が、どんなものになっているか、如実に示す小沢さんの態度かも知れないね。当然!何が悪い!だもの。
会社は金が総て。金儲けだけの存在だから、そこが利益に繋がらない金は出さない。出したらば背任行為だろう。
この機に乗じて、金には同類項の自民党が「好機到来!」とか「我が方に捜査は及ばない」と語り、そして、「貰った金は返す」なんて言ってるらしい。おいおい返せばいいんだ?
検察、頑張れ!
パーテー券、巧妙な献金だよね。検察は政治権力に負けるな!捜査権力を正しく使って、こんな輩は刑務所に入れて上げればいい。そして、寅さん言葉を勉強させてやればいいかも知れないね。
それを言っちゃあ お仕舞いだよ!