桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

法人税減税だって

2014-12-29 | Weblog
大企業の内部留保が285兆円を越えたと言われるのに、その上に、また税金を安くしようと言うのだから、何なのだろうね、この政治は。
今、富岡幸雄氏の「税金を払わない巨大企業」という本を読んでいるが、その税金不払いの実態は驚くばかりだ。
三井住友フィナンシャル、ソフトバンク、みずほフィナンシャル、三菱東京UFJフィナンシャル、みずほコーポレート、みずほ銀行、ファーストリテイリング(ユニクロ)、オリックス、三菱東京UFJ銀行、 キリンホールディングス、これは2013年3月期の税金を払わない1位から10位までだそうだが、法定税率38.01%で、何と三井住友FJは0.002%!
10位のキリンHDで12.5%。
この後にもANAホールディングス、住友商事、三菱重工業、小松製作所、富士重工業、丸紅、ニコン、日産自動車、サントリー・ホールディングス、阪急・阪神ホールディングス、住友金属鉱山、京セラ、デンソー、伊藤忠商事、本田技研工業、キャノン、東京ガス、三井不動産、信越化学工業、トヨタ自動車、武田薬品工業と、誰もが知る大企業が並ぶ、この30位までの会社は、総てが法定税率を納めていないのだ。
それだけではなくて、この大企業の経営者たちにたいする税金が、また安い仕組みなのだ。
年収1億円の税率は28.3%をピークにして、そこから2億円、5億円、10億円と高くなるにつれて所得税率は下がり、百億円になると13.5%まで低下するのだとか。もちろん、これだけではない。そんな大金持ちが大量に保持する証券、株に対する優遇策が、また多くて、ゆえに日本は税収不足になっていると、富岡氏は書いている。
庶民には容赦なく消費税が背負わされる中で、この不公平。そして、更に法人税を下げるニュースは、ここでも日本の制度は歪んでいると知らされるねぇ。

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1 コメント

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法人税 (森利行)
2014-12-30 16:09:05
法人税問題は、腹の立つ事ばかりですね。僕が共同経営している零細デザイン会社は、赤字の年もなんとか帳簿をやりくりして毎年「法人税」を納めてますから、トヨタよりは立派な会社だと自負しています(笑)。まあ、借金している銀行の金利の問題もあって仕方が無いのですが、それにしても政府の大企業優遇は酷いですね。大企業さえしっかりしていれば日本は大丈夫だと思っているのでしょうが、ぜんぜん逆です。会社の隣にあった金型屋さんは、某大企業から仕事を受けていたのですが、今後も仕事を出す代わりに、中国の金型工場に技術指導に行くよう迫られて、結果、中国へ技術を移転すると同時に仕事を切られ、倒産してしまいました。独自にベトナムに工場を移転したりして頑張ったのですが結局だめでした。
 大企業を優遇するのであれば、その条件として国内の協力会社に利益を還元するような措置を講じてほしいと思います。社員全員が歯車としてしか機能しない大企業に企業倫理(義理人情?)を求める事は不可能で、目前の利益に走る事は目に見えていますから、法的に、先進技術や技能の海外流出に一定の歯止めをかけたり、国内生産の比率にリンクさせて法人税を優遇するとか、大多数の中小零細企業が納得出来る行政に改めてほしいです。それで大企業が立ち行かなくなるようであれば倒産すればいい。法人税も納めず、ドーナツ化を助長するような会社が潰れたって痛くも痒くもないですよ、例えば、100%海外生産依存の「ユニクロ」には50%の法人税を科してもいいし、逆に、国内生産依存度の高いゼネコンなどは、0%でもいいのではないかと思います。
 
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