桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

23年

2022-07-06 | Weblog
連れ合いと結婚して23年になる。
風邪での体調悪化で、その夜は馴染みの蕎麦屋へ行けるかどうか、かなり危ぶんだが、コロナでないことが判って生ビールを飲みながら蕎麦を食べて来た。
23年、山あり 谷ありの闘いを背負って過して来たが、あの結婚が俺の輝く勝利の人生が始まっただったと、改めて感じる。
1年で捨てられてもいいじゃない、祝う会には参加出来なかった佐藤光政さんが東京で食事をご馳走してくれたときに言っていたなぁ。柴田弁護士夫人は、後日、私には桜井さんを選ぶ恵子さんの気持ちが判らないと言っていたほど、俺たちは不釣り合いだった。初めて連れ合いが利根町の家に来てくれたとき、掃き溜めに舞い降りた鶴だった。両手に野菜などの買い物袋を下げた彼女の姿が、今でも目に浮かぶ。
これまで連れ合いが感情的になったり、怒ったりしたことは1度たりとも無い。
光政さんと同じに祝う会には参加されなくてメッセージを下さった作家の佐野洋さんは「今日の新しい記念日は、これから続く再審開始決定記念日、再審勝利記念日の始まりになるだろう」と言って下さった。本当に恵子さんと一緒になれたからこそ、俺の勝利はあったのかも知れないと、あれこれと感じることもある。
布川弁護団、布川守る会、俺は素晴らしい人様との出会いを得たが、連れ合いをもだ。
有り難いねぇ。
佐野洋さんのメッセージには国賠勝利記念日はなくて、さすがの推理作家も、そこまでは推理出来得ないほどに俺の闘いは完全勝利だったのだが、最後が「再審法改正記念日へと繋がる夢が広がる」と書かれている。
俺の成すべき使命の書かれた佐野洋さんのメッセージを想いながら細やかな祝いの食事をした夜だった。

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1 コメント

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Unknown (ちえば)
2022-07-08 00:53:24
結婚23年おめでとうございます。しっかり恵子さんに愛されて、良かったですね。国連の拷問禁止条約第1回目の日本審査で行けなかった昌司さんの代わりに真剣に委員に昌司さんのことを訴えていた恵子さんの姿が目に浮かびます。昌司さんに寄り添ってしっかり支えてくれた恵子さんがいたから幸せでしたね。やっぱり彼女は勝利の女神でしたね。再審法改正も実現しましょう。昌司さんを先頭に冤罪犠牲者のみなさんと一緒に私も闘います。
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