桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

胸が痛い

2018-06-13 | Weblog
俺は冤罪と闘った歳月で諺で表現される幾つかを体験した。
冷や飯を喰わされるとか、冷や飯を喰うと言われる辛さは、我々の世代でも知らない。冷や飯を喰うのが、何が嫌なのだろう?と思っていた。
千葉刑務所にいたとき、どういう事情かは忘れたが、冬の夕飯が冷たいときがあった。初めは良かったが、次第に身体の芯が冷えて震えが来たのだ。
食事は温かいから身体も温まる。寒いときの冷たい食事は、段々と身体を冷やしてしまい、かなり辛かった。冷や飯喰いは辛い。
再審裁判で無罪と言い渡されたとき、身体が軽くなった。肩がスッ!と軽くなり、肩の荷を下ろす!と表現される気持ちを体感した。
月曜日にあった袴田事件の大島隆明決定では、声を失うと表現される驚きを体感した。
あれから2日。どの考えても納得出来ない。本田鑑定を検証した実験は「本田鑑定に書かれていない試薬を使用したから再現ではない」として大島隆明は認めなかったが、大島隆明が取り消し決定に最大限に利用した鈴木廣一鑑定は、全く本田鑑定を再現していない。なのに、「本田鑑定は不可能」として認めるのは、全くの片手落ちだろう。
どこから考えても大島隆明決定は歪んでる。
余りにも理不尽な決定で真実が歪められる悔しさを考え続けたせいか、昨夜から胸が痛い。胸の筋肉がチクり、チクりと痛む。
袴田巌さん、秀子さん、それに支援者の思いを考えると、許せない、許してはならない!の思いは深まばかりた。電話で話した昨夜の秀子さんは意気軒昂だったが、だからこそ、秀子さんの思いを感じてしまい、大島隆明への怒りが深まばかりた。
そんな思いが胸が痛い体感になったのだろうか。

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1 コメント

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見方はいろいろ (midori)
2018-06-15 20:39:10
弁護側は本田鑑定が画期的な新手法だと盲信し、鈴木教授による検証結果にケチをつけていますが、鈴木教授は足利事件、東電OL事件で無罪判決につながる鑑定結果を出していることからしても、けっして検察の御用学者ではないはず。https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180615-00010010-agora-sociをお読み下さい。本田鑑定は科学鑑定とは言えないずさんな鑑定だという批判もあります。
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