桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

再び法制審へ

2014-04-22 | Weblog
袴田事件の決定を受けて、今日は、袴田秀子さんを中心に、菅家さん、柳原さんも一緒に法制審に全面可視化と全面証拠開示の実施を求めて要請に行った。
今回は、色々な組織の弁護士さんも参加して、今までにない多彩な参加者だったが、司法記者クラブでの会見は、テレビカメラが7台。久しぶりにライトの熱さを味あわされた。
理不尽な袴田事件での検察抗告の異常にある、日本の司法の歪みを、ぜひマスコミに報じて欲しいと思ったが、どうだろうか。
犬は吠えても歴史は進む、マスコミが黙しても歴史は進む、叶うならば、歴史の進展に竿さすマスコミであって欲しいよね。

こんな報道が毒

2014-04-22 | Weblog
昨夜、恵庭事件の再審棄却決定を報じるテレビを見ていたらば、被害者の父親が出て来てコメントしていた。
もう娘は帰らない、言葉を詰まらせて語る父親には、未だに癒えない痛みがあるのを知って、そうだろうと同情の言葉もなかった。愛する存在を失う痛みは、きっと月日の中には薄れるモノはあるだろうけど、却って増すモノもあるのではないだろうか。犯罪被害者の痛みを思うと、俺が加害者にならなかったことは良かったと思うと同時に、恥ずかしい話だが、俺が盗みをした被害者が、その俺の犯罪で人生を歪めてなければ良いがと祈るような思いになる。
ただ、犯罪被害者の思いと冤罪は違う。無実の罪に苦しむ人も、また犯罪の被害者なのだ。明らかに捜査の誤りによって作られた「状況証拠」だろうに、それに目を眩まされて事実を見抜けない判断だったことを思うと、被害者父親の言葉を使って決定内容を正しいとでも言いたいのか、と報道内容に怒りが湧いて来た。マスコミは、ただの表面的な事実を流すことだけが使命ではあるまい。裁判所の判断だろうと、政府の発表だろうと、真理に反することは批判しなくてどうするのだ。
昨夜のような報道内容は、社会に毒を振り撒いて真実を覆い隠す力にしかならない。司法が真実と正義に基づいた存在になるように頑張って欲しいねぇ。