桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

出会い

2011-10-20 | Weblog
昨日、シンポジウムが終わった後、夜の部の映画が始まる前に挨拶をするのでロビーに立っていたらば、どこかど会った気のする男性に声を掛けられた。
「桜井さん、覚えておられますか?」
判らなかった。
「千葉で3度、お会いしてます。面接をしたのですが」と言われる。
アッ!だね。
思い出した。仮釈放のとき、あれこれと質問されたり、俺の話を聞いた方だ!
今、福井の方におられるとかで、「今朝の新聞で来られると知ったものですから」と、映画を見に来られたらしい。
桜井さんと杉山さんとは対照的だったのが印象に残っていると、あれこれと話したが、仮釈放がなくて刑務所に過ごしても、それならばそれで人として満ち足りた時間を過ごすつもりだから構わない、などと言う俺の言葉に、少し困惑した顔をされた当時の面影も甦った。
「私は敵側の人間ですけど」と、笑って言われたが、警察や検察を敵とは思わない、不正をして良いと思う警官や検事は少ないと思うし、不正をさせる仕組みを怒り、変えたいだけです、と言ったらば、穏やかに、そして力強く頷いておられた。
千葉刑務所当時当時から変わらない、俺の生き方を判ってくださったみたいで、「おめでとうございます!」と頭を下げられたときは、思わず涙が出そうになってしまった。
しかし、何時、誰と会うか判らないし、その行動は、どこにあっても何時から判るのだと、改めて一筋に自分の道を貫く力を得た思いだった。

可視化集会

2011-10-20 | Weblog
昨日の福井弁護士会の招きは、可視化を求める集会だった。
市内の映画館「テアトルサンク4」でショウジとタカオを上映後、シンポジウムだった。
参加者は百くらいだったろうか。
福井女子中学生殺人事件の再審決定が近いせいか、マスコミが沢山来て、熱心に取材していたのが印象的だった。もちろん、前川さんの父親も来て「息子は事件があった時刻に、家族と夕飯を食べていた。絶対に犯人ではない」と訴えていた。
松川事件も、そうだったね、家族と寝ていた人が犯人にされた。
取り調べの可視化は1日も早く実現するべきなのだ。