通勤電車の扉といえば、両開きが今では標準になっていますが、このドアのルーツは意外と知られていないのではないでしょうか。
両開きドアの開閉システムを考案したのは西武所沢工場で、その名前の頭文字からST式引戸開閉装置と言われています。
国鉄の車両が最初に採用したと思われがちですが、当時の国鉄はこの扉にはあまり興味がなかったようです。民鉄での採用の方が早かったというのが面白いところです。
ではなぜ、国鉄が採用したのかというと、29日の朝日新聞の夕刊に連載されている各駅停話で鉄道関係の発明展の審査員だった、新幹線の生みの親、島秀雄さんの目にとまり、それから採用されたと書かれています。
この装置は保育社の西武鉄道の本にも紹介されています。この両開きドアが誕生していなかったら、通勤ラッシュの乗降時間は短縮できなかったとも言われているだけに、地味な鉄道部品ではありますが、こういった物の開発の積み重ねで、便利で快適な電車ができているという事に気がつかされます。
ドアの開閉音も鉄道会社や形式で微妙に違いがありますので、聴き比べてみるのも面白いと思います。