1979年制作のドラマ”あうん”。スタジオのセットに時代を感じ、NHKらしいなぁと。ロケではなく、セットで撮影する事に意地になっているかのような・・感が過ぎだろうか。志村喬さん、殿山泰司さん、フランキー堺さん、杉浦直樹さん、渋い役者揃い。とは言え、脚本は戦前の時代背景を描いていて男尊女卑がはなはだしい。娘の頬を平手打ちする父親、愛人を二号さん、と人前でも平気で言う男、女房に隠れて愛人に隠し子を産ませる男など今じゃ考えられない設定も多い。向田邦子さんは上手に描いてはいるが、現在の若い人には理解し難い世界だろう。私の年代では何となく理解できるし、その時代に生きていたわけでもないのに、懐かしい感じも受ける。自分の母親が生きた時代と重なり、聞いていた話などから想像がつくからだろうか。貧しくて楽しみも少なくて、決して良い時代ではなかった筈なのに、その時代を羨ましく思うのは何故だろう・・