俳優・小林薫さんを知ったのは35年くらい前。山田太一さんのドラマ”ふぞろいの林檎たち”。地味で性格は真っ暗だけど心臓病の妻を一筋に愛する男らしい男の役だった。主役3人の大学生のひとり、中井貴一さんの兄の役。弟には厳しく怒ってばかり。自分自身はキツイ母(これが適役だった佐々木すみえさん)にいつも叱られていた。セリフは少ないが難しい役どころ。画面がしらける事もなく、ドラマになくてはならない存在だった。その後の小林さんは徐々に渋みを増し、今はあの時以上にいい味を出す俳優さん。ドラマで見かける機会はあまりない。深夜枠のドラマ、その名も”深夜食堂”でそのいい味を見事に発揮。このドラマを見かけたのも数年前。オンタイムでは見られないのでネット上で拝見している。この度2度目の映画化が実現し、ちょっと嬉しい。あんな食堂があったらいいな、と同時に実在するかのように思わせるところも凄い。映画もいいけど出来ればドラマの新作を、お願いしたい。