リンリン・ダイアリー

ブースカがお話します。

2018年12月6日 コンビニ人間・村田沙耶香さん

2018-12-06 21:39:22 | Weblog

18か国語に翻訳が決定した、というのだから物凄い話。そんな日本の小説が他にあるのか? 村上春樹さんあたりはそれを凌ぐのでしょうかね、私が知らないだけで。それはともかく、内容は面白かった。読後直ぐはそう思った。ところが時間が経過するにつれ、そんなにも単純な話でもなかったのか、などと感慨深い思いに浸った。何とも不思議な世界がそこにはあったようにも思えたのだ。小説の世界だから当たり前? いやいやそんな気分にさせて貰えたのは久々。中村文則さんの解説にもあったが、ここには今の社会が抱えているいろんな要素が入っている。加えて、各人が入り込んで貰いたくない世界を持っている事にも気づかされる。無機質感が妙に心地よいのは気のせい? 或いはこちら(誰もが)心の中に感じている自分への違和感を巧みに表現している風にも感じられた。村田さんの本は今回初めて読んだ。他の作品ももちろん面白いのだろうが、出来ればこの続編を読みたい、と思う。芥川賞受賞作品の続編なんて聞いた事がないが、変な事にチャレンジするのも村田さんらしくていいのではないか。是非、お願いします!


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