２０１１年７月２０日 追悼・原田芳雄

　やはりお亡くなりになりましたね、原田芳雄さん。最期の力を振り絞っての舞台挨拶だったんだよね。凄い執念だと思う。あんなに頑丈そうな体があそこまで衰弱したのだから相当、つらかったでしょうに。71歳。これを早すぎるという人もいる。確かに彼のように元気あれば仕事が舞い込むような状況に人にとっては早すぎる死だったかもしれない。俳優という職業ならではのものがそこにはあるから。彼がかつて在籍した俳優座の先輩、市原悦子さん（75）もそう言って死を嘆いていた。けれども一般的に言えば71歳での死は決して早すぎるものではない、と私は思う。そこまでたどり着いていないので分かりかねるところもあるが自力で生きられるうちに身を引けるなんて（病気になったので最期まで自力とはいかなかったが）素敵。そう思うことで死を少しでも受け入れなくては、と。やや不良じみてアウトロー的な姿に魅力があった俳優。「これからはこうした人はなかなか出てこないのでは？　」なんてありきたりのことは言いたくないが、そう思う。合掌。