日本だけかも知れないが、フランス映画が衰退した後、アメリカ映画が強くなった。その勢いのあった時代 1970年代のアメリカ映画には独特の魅力がある。団塊の世代の人々が青春時代を送っていた頃か? 自由、平等に憧れ、映画もかなりヒットしたものが多い。そんな中のひとつが”狼たちの午後”にあたるだろうか。実際に起きた銀行強盗事件を基に制作された。舞台はあまり大きな銀行ではなく、犯人たちもアマチュア。14時間の監禁事件後に行員たちは無事に解放。犯人ふたりのうちのひとりが殺害され、ひとりには20年の刑期がくだされた。銀行強盗の目的はもちろん金を奪う事。奪う理由のひとつは殺害されずに済んだ犯人の彼女(元は男性)の性転換手術代! 1972年にこんな理由で銀行強盗をしようと考えた若者がいた事に驚かされた。今でこそジェンダーフリー(日本での話だが)が声高に言われるようになったが50年前には考えられなかった・・ 映画の話に戻るが、演者:アルパシーノが凄かった。実際の犯人が彼に似ていたからこの役の話が来た、とあったが彼でなかったらどんな映画になっていたのだろう。警官・FBI・行員たちやもうひとりの犯人役の不気味さなどどの役者たちも素晴らしかった。久々に映画はこうでなければ、と思わされた。