スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産省賞典中山グランドジャンプ&部分

2019-04-13 19:00:29 | 中央競馬
 第21回中山グランドジャンプ
 最初のコーナーを回ってからミヤジタイガがハナへ。マイネルプロンプト,オジュウチョウサン,ニホンピロバロン,タイセイドリーム,シンキングダンサー,ラピッドシップとルペールノエルという隊列。ヤマニンシルフ,シゲルボスザル,トーアツキヒカリの3頭は前の8頭から離れて追走。最初の大障害に入るところでオジュウチョウサンが2番手になり,これをマークしてニホンピロバロンが3番手に。2回目の大障害に入るところではニホンピロバロンが2番手でオジュウチョウサンは3番手。大障害後のコーナーワークでまたオジュウチョウサンが単独の2番手に上がりました。
 最終周回の向正面に入るとマイネルプロンプトが動いていき,3番手がニホンピロバロン,シンキングダンサー,マイネルプロンプトの3頭で横並び。さらにタイセイドリームが上がっていくとオジュウチョウサンはミヤジタイガを抜いて先頭に。それにシンキングダンサー,タイセイドリームの3頭が雁行。最終コーナーでタイセイドリームは一杯となり,オジュウチョウサンとシンキングダンサーの優勝争い。直線に入るあたりでの手応えには差があり,前をいっていたオジュウチョウサンが徐々に差を広げて優勝。シンキングダンサーが2馬身半差で2着。7馬身差の3着はマイネルプロンプトで直線で外から一気に追い込んだラピッドシップがクビ差で4着。タイセイドリームがクビ差の5着。
 優勝したオジュウチョウサンは前走の阪神スプリングジャンプから連勝。重賞は11勝目。大レースは昨年の中山グランドジャンプ以来の6勝目。第18回,19回,20回に続く四連覇で中山グランドジャンプは4勝目。今回は陣営からかつてないほど強気な発言が出ていました。競馬の場合はどう乗っても勝てるということはあり得ず,自信過剰なら危ないところがあるのではないかと思っていたのですが,馬に対する絶大な信頼が表出していただけのようです。レースの前半から負かしに来た馬たちを次々に潰し,最後に追い掛けてきたシンキングダンサーを突き放したのは文句なしに強い内容。同一重賞四連覇だけでもそうですが,それが大レースということになるとこれは空前だけでなく絶後の記録となるかもしれません。父はステイゴールド。母の父はシンボリクリスエス。ひとつ上の全兄に2013年にラジオNIKKEI賞に勝ったケイアイチョウサン
 騎乗した石神深一騎手は中山大障害以来の大レース7勝目。中山グランドジャンプは四連覇で4勝目。管理している和田正一郎調教師は昨年の中山グランドジャンプ以来の大レース6勝目。中山グランドジャンプは四連覇で4勝目。

 実体substantiaや属性attributumはそれ自身によって無限infinitumであるといわれます。これに対して無限様態modus infinitusはその原因causaによって無限であるといわれます。これは直接無限様態であろうと間接無限様態であろうと同様です。第一部定理一三系は,それ自体でみれば実体,やや広くとっても属性は分割できないといっているのですから,同じことを無限様態に適用するためには,もう少し丁寧な論証Demonstratioが必要でしょう。
                                   
 これには第一部定理一三備考を参照すれば事足りると僕は考えます。この備考Scholiumは確かに,実体について言及し,実体が部分に分割されるならその部分は有限なfinitum実体としか解せず,それは第一部定理八,すなわち実体は無限であるということに反してしまうといっています。しかし同じことは無限様態についても妥当します。今は間接無限様態だけが考察の対象ですからそちらだけに絞りますが,もしも間接無限様態が部分に分割できるなら,その部分は有限な間接無限様態であることになります。ですがその名称からも分かるように,また第一部定理二二からも分かるように,間接無限様態は無限です。よって実体を部分に分割することができないのと同じように,間接無限様態も部分に分割することはできないのです。なので間接無限様態を構成する無限に多くのinfinita個物res singularisを,間接無限様態の部分として把握するのは誤りです。少なくとも間接無限様態の何たるかを理解するという観点からは誤りなのです。ですから形而上学的な把握としては,間接無限様態を構成するとされる無限に多くの各々の個物は,その各々を内部と外部というように区分することが,形而上学的には不可能になっているのです。
 これはある個物をそれ単独で認識するcognoscereことはできないということを意味するものではありません。ただ第二部定義七の前提は,どのような個物であってもほかの個物と協同してより複雑な個物を構成する,あるいは構成し得るということになっているので,内部と外部という区分は無効であるというだけです。むしろ個物Aと個物Bを別個に認識するということはあるのであって,しかしそのうち一方が内部で一方が外部であるとか,双方が双方の外部にあると認識するなら,それは誤りなのです。

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