スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

罰とギャンブル&血液の量

2013-12-19 18:33:37 | 歌・小説
 マルメラードフのうちにあると思える罰への欲望を,僕がリアルな情念として感得するのは,僕の場合は競馬と競輪ですが,そうしたギャンブルをするということと関係してるのだと僕自身は理解しています。僕は通常の意識の上で,自分がギャンブルをするということが罰への欲望を理由としているとは理解しませんが,ときとして,それに近いような感じを覚えることがあるのです。
                         
 ギャンブルをやっていると,どういうわけだか分からないのだけれども非常にうまい具合に推移していくこともありますし,それとは逆にどうしてもうまくいかないという場合も生じます。全体を通せば平均値というものを出すことが可能ですが,たとえば1日という単位だけを任意に抽出してみた場合,全体の平均値とかその近似値で終了するというケースはむしろ稀で,成功であるか失敗であるかのいずれかであるということがほとんどなのです。つまりそうした成功と失敗をある程度の期間にわたって繰り返すことによって,平均値というものが出てきます。もちろんそれは自分自身の平均値なのであって,この平均値自体が人それぞれであることから,その差によって全体としての平均値も導かれるのですが,これは胴元の回収率に依拠しますから,ギャンブルをする側からは動かしようがなく,僕はあまり気にしません。
 成功と失敗のうちにもまた差があって,単なる成功と大成功,単なる失敗と大失敗が生じます。そしてこの大失敗のときに,僕はふと罰への欲望を感受することがあるのです。うまくいかないときはどうやってもうまくいかないということは,経験則としては理解できていますから,こういうときは早めに手を引くのがベストです。僕も大抵の場合はそうするのですが,ごく稀に,失敗すること自体が楽しくなってしまうということがあるのです。そうなると失敗するためにギャンブルを続けることになります。そして実際にそれが失敗という結果を生んだとき,むしろ満足感が残るのです。この満足感が,罰を受けた満足感に似ているように僕には思えるのです。
 あるギャンブルに失敗したことの罰を受けるために次のギャンブルに進み,そこでの失敗が罰を受けたこととして満足感を得させる,というのがこの場合の論理的な筋道でしょう。『賭博者』をドストエフスキーが書いたとき,この筋道を作家自身がよく理解していたと僕には思えるのです。

 地域活動ホームが主催するカラオケに妹が参加した翌日,12月9日の月曜日が,僕の内分泌科の通院の日でした。
 この日も病院に到着したのは12時40分前後。中央検査室には採血を待っている患者がひとりもいませんでした。僕はこういう場合でも先に採尿を済ませてしまうことがありますが,この日は中央検査室の受付を担当していた人に,すぐに採血をすることが可能なので,採尿は後回しにするようにと告げられました。なのでその通りにしました。こういうケースで先に採尿をしますと,トイレから戻ったときには,僕の採血が可能になっていることを示す番号が点灯しています。それでも後ろに待っている患者もいないのなら,待ってもらうのは技師だけということになりますから,受付で僕の後に順番を待つという患者がいない限り,僕は採尿を先にしていたのです。この日も僕に続く患者はいませんでしたが,それでも無視して先に採尿をしてしまうようなことは僕はしません。
 この日は採血に時間を要しました。僕は針を打たれる瞬間は自分の腕を見ることはしませんが,いくらかの痛みは感じますから,針が挿されたことは分かります。血液を抜いている間,要するに注射器に血が溜まっていく場面ですが,それも見ることはありません。ですからどの程度の血液が採取された状態なのかも,普段から分かっていないことになります。それでも,採取する時間というのはほぼ一定で,技師から終了を告げられるまでの間は,何秒かは分からないですけれどもそれなりの時間的感覚というものがあります。ところがこの日はなかなか技師から採取終了を知らせることばがありませんでした。どういう理由からかは僕にはまったく分かりませんが,どうやらいつものようにはうまく血を抜くことができなかったようなのです。それでも一応は技師から採取の終了が告げられましたが,もしかしたらまだ血液の量が十分ではないかもしれないので,その場で待機するように言われました。足りなければまた抜けばいいだけのことですから,あまり気にせずに待っていましたが,ほどなくして技師が戻ってきまして,血液は足りたということでした。

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